万事窮す…骨を折る
息子がパリ帰国前日、下でお別れ会食する前に一風呂浴びた後、浴そうのへりから滑って腰椎圧迫骨折をしたのは1月、胆がつぶれるほど驚いたが落ち込んでいる息子を励ます為にも私は気丈に自然体を装いました。息子は大事な仕事を抱えている最中なので緊急入院はとりあえず伏せることにして仕事優先、病室から懸命にパソコンに向かう事になりました。病院へ日参するお嫁さんのためにご飯を用意して帰りを待つしか能がない私でしたが、やっと退院の運びとなりパリ帰国寸前の慌ただしい2月10日に事故は予期せぬ形で再度、私の身に起きてしまったのです。
土曜日の朝、母はいつものショートステイからお迎えが来てイソイソと出かけてしまったので、腕まくりして張り切った私は大掃除をはじめました。
2、3日続けて友人が来る予定だったので料理を仕込み次いでに事務所へ掃除機を運び徹底的に掃除をし終えホっとしつつ自分の部屋までエッチラと戻したところで燃料切れか?、いつもならコードを必ず巻取るのですがちょっと疲れたし母は居ないし・・・そうだ!アイスクリームをお八つに食べようっと!そのまま掃除機を中途半端に廊下と部屋の境においたまま台所の冷蔵庫へと突進したのです。
残っていたのは紫芋のアイスです。私の大好きなエコールクリオロのアイス・・綺麗な紫色!ん、写真を撮ろう!と閃いた瞬間は上機嫌の笑顔だった私です。自室のパソコンの前からカメラを掴み振り向きながら「お皿は何にがいいかな・・」その一瞬の後に私の足が何かに引っ掛かり強く引っ張られると共にカメラが放り出され両足に嫌なブリ・・という音と激痛が走り身体が狭い廊下で捩れるように倒れたのです。叫びましたとも。しまった〜〜!!後悔先にたたづです。
その激痛たるや表現を超えています、火花が散る感じか目が飛び出す感じ..足が曲がったままではどうにも痛くてならないので自力で伸ばす時は一人を良いことに絶叫していました。いくら叫んでも1階には猫しかいません。電話口まで這おうにも、もう二本ともピクリとも動いてくれません。指の先まで痺れて腕にも手にも力がまったく入らないのです。胸の動悸だけが喉元にひびき脂汗まで滲む始末。
階段リフトの鋼鉄の土台を見事に除けた倒れ方に我ながら感心しつつ何とか助けを呼ばなければと首をまわし見る。
「うお〜ぃ、ごめんよ〜クララ〜、チップちゃ〜ん・・フミちゃ〜〜ん」3階では3日後に事故で延期になっていたパリへ戻る準備でいそがしいはずです。でも叫ばずには居られません。痛いし救急を呼ばなくては尋常じゃないのは自分でも解るからです。
三時から40分くらいお嫁さんの名前を呼びつづけていたでしょうか?猫たちは怖がってベッドの下へ潜り込みジっとしています、私は心の中でシマッタ!失敗しちゃった!さてどうしよう?を何度も反芻しながら・・・ひたすら名前を呼びつづけていたのです。
カタン!と音がして頭の上のドアが開きゆっくりとフミちゃんが顔を出した時は「ごめんなさい、やっちゃった〜」
でも地獄で仏、これで助かる!とホットしました。
救急車をすぐ呼ぼうとするお嫁さんを兎に角一旦制して、ベッドカバーをまず直していただき押し入れからボストンに詰めた病院専用バッグを出してもらい歯をうがいしてから地震バッグも掴みOKのサインをやっと出す見栄っ張りなお姑さんに素直に従ってくれるフミちゃんが実にありがたかった。
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