しかし何と言っても90、数えでは91という年令であれだけしっかりしている母にもっと感心してあげたり励ましてあげなくてはいけませんが私は母に優しい言葉がかけられないし、照れます。そんな日々家に来てくださる介護関係の方々は皆さん全員、おもいやりが一杯でありがたいくらい気を遣ってくださるのです。靴の仮縫いが遅れたために限界になってしまった私の靴、足底板の無いほうの左足にジェル状のドクターソールを見つけたから、と買ってきてくれたりとホントに細々と助かります。
遠い親戚より近くの他人・・とは、昔の人は良くいったものですね。母は感染症があるためにいわゆる施設への入所ができません。有料老人ホームへ入所出来る人は感染などの病気が無い人に限ると、どのパンフレットにも書いてあります。実際問題、入所するにはお金もかかりますが母はその資格自体が、そもそも奪われているのです。過去の人工股関節手術の傷からの感染症ですから母は医療の犠牲者です。何の進展もない治療が死ぬまで続きます。ただ消毒するだけでも感染である以上入所ができないのですから病気になったら病院へ入院するしか道は無く、期間が限られます。
今の所、他の病気はありません。ですからこの先も自宅で介護の皆さんに助けていただきながらノンビリと暮らしていこうとは思っていますが、他人から見たら私は不行き届きがあるのでしょう。そんな時でも常に他人が家に入っている今の状態はプラスだと思っています。閉鎖的にならずに済む上、母も私も努力しながら皆さんに評価されようと頑張る楽しみが増えるからです。医療問題が深刻になってきた日本は、家庭で看取る医療がどんどん増えていくでしょう。真剣に取り組むつもりでいます。やれる所までは行きたいものです。
一方母は、口うるさい娘のいない奇麗な施設でのんびりしたいようです。それを熱望してるかもしれません?「どうしたい?」改めて母の日に質問してみたら「貴女にはすまないと思うけど、私ずうっとここに居たい・・」と真顔で答えてくれました。 みなさんの善意を頂きながら頑張ろう・・そう心に思う娘ですが優しい言葉より責任感ばかり募り、ちと小言が目立ちます。「もう煩いんだから〜」と母。凸凹コンビがまだまだこの先も続きます。