「満腹と満足」はイコール
気合い十分に作った応援ディナーは久しぶりのホット・ローストビーフだ。今回はソースをひと味工夫、肉汁のグレービーを醤油味で煮詰めたところへ蜂蜜を一匙加えてほんのり甘味を出してみたらお肉に合ってとても美味しい。
蜂蜜やメイプルシロップは味醂より風味が良いので甘味調節にとても便利、ただし煮ないで混ぜるだけ。
このくらい食べるかな?と余計に切った二切れが、やっぱり売れ残った。もうみな若くは無いという証拠かな。
仕事漬けの息子、最近は全く飲まないのに珍しくお相伴で一口だけビール、何時もより賑やかに乾杯して気合い。「勝ってくれないと・・・」とフミちゃんが呟くので私も慌てて頷く。今のところサッカーしか楽しみがない息子だものなぁ。
食事が終わると息子とフミちゃんはTVに向かって姿勢を正すし、無闇に騒ぐと「煩いよ」と怒られる始末。緊張の応援がはじまった。
むかし坊やみたいだった川口が凛々しい武者眉になって大活躍!ライオンヘアの中澤の鉄のガード!そして終にジーコ監督のあんなに笑う顔はみたことない!そんな破顔一笑につられて単純に喜ぶ私達。
アウェイでこれだけ勝てたなんて日本選手も根性がある。
まったく安上がりだけど楽しい娯楽が終わりドッと疲れが出たところへ老人が水浴びに降りてくる。
「優勝したよ」と声をかけると「うん、上で見てた。・・でどうなるんだ?」と間のびしたように聞くので息子が
「これでアジアチャンピオン連覇八年とコンフェデの出場権獲得だよ」と答えると、
「なんだ、それだけのことか」とあっさりと一言。勝ちも負けもない彼の余生は穏やかなり。
急激な眠気が襲ってきて困ったけれど「冬のソナタ」のあまりにも唐突な展開に一遍で目が覚めた。