救急入院と手術
救急で入院する患者さんと紹介か予約を取って入院する患者さんの大きい違いは、事前に先生と患者さんとの間に或程度の信頼関係が築きあげられている点だろう。
自己血液をあらかじめ採取して置くとか、たとえ糖尿等の余病があっても、血糖値検査やカロリー制限などの対応で皆さん安心して膝関節や人工股関節の手術を受けていらっしゃる。術後を想定し包帯のまま車椅子の乗り降りやトイレでの方法など訓練を受け、どういった手術を受けるか!のヴィデオまでも見せていただけるらしい。車椅子を自分で練習をして手術日まで自習するようです。
緊急で入った私は運が悪く連休だったので丸3日放置され4日目に手術となりましたが、早ければ早い程、骨には良い手術がこうして遅れたことと整形の担当医が全く先天性ミオパチーという筋肉の弱くなっている病気を知らなかったこともあり、術前のカンファレンスでも私とちょっと揉めました。
若い先生は骨を繋ぐことは出来ても患者は、もう歩けないだろう!と端から決めてかかる言動がめだちます。おまけに「息子さんは若かったから歩けるようになったんでしょ、イチダさんはもう年齢はお婆さんなんだから・・・」を何度も繰返す始末。そりゃそうだけど自分では全くそんな気がしない。
私は下手すると40代後半に間違われるが今は髪を染めていない自然体なのでカルテの65才にみえるのだろう!「お婆さんは80代を指すのよ!」と同室の70代のご夫人まで憤慨するのには笑えました。
「歩けないよ!」と決めてかかってる先生に手術してもらうって、しかし不安。もしリハビリに入ったら靴が無いと困るので自宅から持って来てあった室内用の踵の高いサンダルをお見せしながら「私は先生が思っているより細胞が若いので靴を作れば大丈夫、歩けますから、早い時期に靴を作ってください」とお願いするがヒールで歩いていた障害者を想像できないらしい先生は返事さえしない。ヒールを常用するってことは足の裏側、両側の筋肉を凄く鍛えていることなんだけど。つまり14才から鍛えていたことになる。
手術の当日、メモ日記には天気がどうだったかも一切記載が無かった。余裕がなかったのだろう。救急で入ったせいか禁食の札を置いてからはあまり看護師さんも来ないので、ならば!と自分で、脱脂綿に薬用エタノールを含ませ神経質に手の届くかぎり拭きまくる。大腿骨だと剃毛も必要ないらしいので助かったが。浴衣が着れないので両袖に腕を通し前に羽織るだけにします。
いよいよ担架に移ると言う時、若い看護士さん独りだったのでベッドのまま手術室へ行っても良いでしょう?どうせ向こうで乗り移るなら2度手間だし・・・とお願いしたらスンナリと意見が通ったのに驚いた。きっと彼女も独りで移す自信がなかったのでしょう。後からヘルプに来た同僚も「あ、ベッドの侭?」と言ったきり納得してました。
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