2006/4/2 日曜日

靖国問題を解決するのは国際条約

Filed under: 時事,時代 — patra @ 7:26:52

上坂冬子さんは母の尊敬する評論家である。今では死語のOL(オフイスレディ)から文筆家となり地道な活動を通し評論家になった尊敬すべき女性。

3/18日付けの正論に目からウロコのような角度から、今まで誰もハッキリと言及出来なかった靖国問題について“A級戦犯”に発言資格なき中韓・・・・と書いていらっしゃる。

何方かその着目点の新鮮さについて書いてくださるのを期待していたのだがTVやマスコミも取り上げない様なのでここに抜粋しておこうと思う。
松下電気のトラブルのあった石油ストーブをめぐって、その回収に徹底した追跡調査を見せつける企業に対し永田議員のドタバタとを見比べ、政界と経済界のトラブルに対する危機管理の力量の違いを嫌でも思い知らされたといっていい・・・
そんな論点が始めにあり次へと続くのだが
<核心外した論議のみ空転>

本論はここからだ。靖国問題の対処に関しても、私は全く同じような印象を抱いている。
歴代の首相が誰ひとり明快に解決できぬまま他国の言い分に振り回され押しながされきて、今や日本は次期リ−ダーの選出さえも靖国問題によって左右されんばかりの情けないところまで追い詰められている。ひとえに、押されれば引くことしか考えず、発想の転換や新論拠の主張に取りかかろうともしない日本の腰の弱さが原因だ。

靖国問題は心の問題だ、いや侵略に対する謝罪の問題だ、などと核心を外した論議ばかりを空転させてきたが、この問題を一刀両断に解決するのは国際条約である。
そのことに気づいているのか、いないのか。
戦争犯罪人と名指しされた日本人の命と引き換えに、サンフランシスコ平和条約が締結されて世界は平和を取り戻した。
もちろん、条約には戦犯に関する取り決めが盛り込んである。
何と書いてあるか。
おおざっぱに言うと、この条約に署名、批准していない国々は戦犯について発言する権利はなく、日本の立場を損ねたり害したりするような行動に出る資格はないと記してある(第25条)


しかも、日本と四十八カ国との間で交わしたこの肝心な条約に、中華人民共和国、韓国、中華民国(台湾)は署名も批准もしていない。

つまり現在、日本との間でトラブルを抱えている中、韓いずれもが、国際条約の上でA級戦犯に関して発言資格なしとされた国々なのである。
今のところ資格ありとされる国から日本は1度もクレームを受けていない。


<なぜ出さぬ毅然たる声明>


靖国をめぐるトラブルを解決するのは、心の問題や侵略の問題では無い。サンフランシスコ平和条約にかかわる問題、の一点につきる。

いまこそ日本政府は、この条文を根拠に国家として毅然たる声明書を発表すべきだ。
トラブルの対処に当たって言を左右にしてタイミングを外した民社党方式ではなく、ここぞというときに一丸となって体当たり解決に踏切った松下方式をなぜ見習わぬ。
.....この原稿が活字になるころ、私は『戦争を知らない人のための靖国問題』(文春新書)を出版する。その最終章に私なりに、たまりかねて中国の胡錦涛首席と韓国の廬武鉉大統領宛に書いた声明書私案を掲載した。
今度の新書に限って、読者にも終わりから読んでほしい。・・・・(かみさか ふゆこ)

 

私はこの上坂氏の文章を読み少し安心をしながらも、では何故日本国政府はあのように弱腰なのか理解に苦しんだ。
「サンフランシスコ平和条約の25条など読むことも知るチャンスもなかった私だが、大多数の国民は皆そうであろう。
今の政治家でさえ内容を把握している人間は稀であろう。検索してみたところ法律用語の難しさから
上坂氏の理解しているところまで到底読みこなせなかったが、非常に興味深いものだった。

靖国に眠る英霊と同じ世代の、上坂冬子氏の鳴らす警鐘を同じ女性として無視することは出来ないのだ。

私は戦争が終わった時は3才。どんどん記憶が薄れてしまう中で、中国、韓国のごり押しのような
靖国問題への干渉を若い世代にハッキリ説明することができないでいる。

ご本をぜひ読んで勉強しておきたい。

戦争を知らない人のための靖国問題


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