見るべきほどのものは・・・すべてみた。
いよいよ待ちに待った壇の浦の戦い。
先陣を願いでる藤原の景時を厳しい目ではねつける義経さん、決意が漲る目力に
この8ヶ月での成長がうかがえます。
じれったくてたまらなかった滝沢義経あきらかに変わってきていますね。遅いよ。
船の漕ぎ手を狙い撃ちするという掟やぶりを怒る景時、こうしたことがより義経への不満を募らせるのでしょうが漕ぎ手を撃つとは船をその場から動かさないようにするための義経さんの策は船戦からは御法度でも、頭良いよなっと普通に思う隠居です。
こうしてみると義経さんというお方は既存概念に捕われることなく自由な発想の非常にドライな部分と身内に情をかけるウエットな部分を合わせ持った複雑な人柄だったのですね。矛盾だらけのお人・・・人生の最終は虚しさと共に敗れさる(笑)
こちらの金粉の疑問を解明してみると、こんな事ではないでしょうか?弓矢に足滑らした義経さん危うし、咄嗟に喜三太が投げた砂金袋は・・・金売り吉次から預った軍資金(と思ったら平家の持ち物だとか、分かり難いから勝手に代えました)、重さもあり夢中で投げつける、それを知盛が切り裂くことで砂金の粒が義経さんの兜や鎧に降り掛かるとは・・・実にうまく考えたものです。
どう描こうと最早、史実にもリアリズムにも遠い今様壇の浦の戦、舞い散る金粉が一気に戦を華やぐ虚構へと導くからこれも不思議効果てきめん。
どう表現するのか心配だった八艘飛びも揺れる船を次々と跳び移る・・といった常套手段をサラリと捨て敵も味方も唖然とするような宙返り!鎧を着たままなのに義経さんの身軽さで度胆とは苦肉だけど、現状では成功だろう。
好きだった場面は水面に累々と浮かぶ赤い旗と義経さんのお顔がオーバーラップするシーン。むなしさがただよっていました。
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