敬老にちなんで
両親とも大好きだったので若鶏のプロヴァンス風煮込み・・
町会から16日で賞味期限切れのお饅頭を預かっているのですがお届けしたい・・と昨日夜、電話がありました。誰も食べないのでどうぞ・・と伝える。
毎年、なんでこんなに不味いの?と思う紅白のお饅頭だったのだが、何日か前に創るのですね、謎が判明。
これでも病院で食べる量より多いのでジャガ芋を止め、蕪のクリーム煮を半分、茹でホウレン草の微塵切りを添え、濃いトマトソースとバランスをとってみる。
図書館から電話があったが今月末まで「本」の宅配を休止していただく。
文藝春秋の10月号を読む。
福田恆存先生の絶筆「蟻と蛾の話」
ご子息の福田逸氏が偶然、父上の書斎から発見された未発表の原稿だそうだが、実に面白かった。
芥川研究家として世にお出になった福田恆存先生の言わば誤植に対する読者への「詫び状」にあたるものだが、その編集に携わった方、元文藝春秋社資料室長だった郡司勝義氏からの返信が真に面白い。
内容はここでは書かないが校正刷りに日頃あまり頓着しなかった先生が事,芥川龍之介の引用文に誤植があろうとは・・と郡司氏に抗議の手紙を書き郡司氏からの返事となる文章との合作であるが何ともお二方の博学ぶりがお見事で2箇所ほど声を挙げて笑ってしまった。
当時福田恆存先生は脳梗塞で倒れた後は言わば蝉の抜け殻状態とご子息が語っています,それがこの原稿はお亡くなりになる4年前に書かれているそうで、郡司氏の底知れぬ知性,ユーモアに助けられてはいてもお見事な、それは三刷までの全集第1巻を買ってしまった読者への「詫び状」でした。
ご子息の福田逸氏が「芥川論で世に出た福田恆存が芥川で筆を○くのは姿がいい、そう私には思える。」
○の字が私には読めない情けなさだが、全編日本語の美しいのに驚かされる絶筆原稿でした。
誤字,誤植は文章に携わる人間にとって在ってはならない物、と頑に信じ自分の著書「日本古代史への設問」を三省堂から出した我が父、その誤字,誤植の多さに頭を抱え正誤表を添えてはみたものの、これは売り物にならんと諦めた姿を思い出しました。