2004/7/28 水曜日

プロ、術に溺れる

Filed under: 家族 — patra @ 2:49:30

今月の9日に休暇で戻った息子を一目見て、おや?と思う。
いつもの見なれた印象とちがうのだ。
忙しかったので痩せたのかな?と思いつつ冷やし中華ソバで帰国祝いの途中「あ」と声をあげた。
 
「いつもよりkyoの髪の毛が短くて顔に全然、似合っていないみたいだけど!」
大皿から目をあげて・・やっぱり?・・というようにフミちゃんが頷く。
「今回はアパルトマンの上に住んでいるプロに切ってもらったんです」と言い、
「耳の上の切り方はコツがわかったんですけど・・・絶対に切りすぎですよね〜」と困ったように笑う。
なるほど、どうりで色気がない。息子は結婚以来いつもフミちゃんがそれは見事にカットしてくれるのでとても繊細な雰囲気だったのに。

首の太いマッチョならいざしらずスポーツ刈りだ・・美容院のプロは時として絶対に客を見ていない。
自分の手先に酔っているのか技術に酔っているのかなんだか・・客の注文とは違う似合わない髪型に平気でする癖があるようだ。

ひょろ長い痩せた首に短い髪の毛の息子・・・そうだ貧相になっちまったのだ。
「これでも大分伸びたんですよ」と申し訳なさそうに言うフミちゃんに
「貴女ほど息子の頭の形を熟知している人はいないわ、これからも今までどうり自信をもって、君が切ってね。プロより君のほうが断然上手だもの」
とお願いすると
「そりゃそうだよ、彫刻科出なんだからさ、全体像の把握はうまいよ」と息子も前髪を引っ張りながら照れ臭さそうに笑った。

髪を一つ切るのも愛が、技術より勝るのだ。
似合わなくては意味がないのにそれが出来るプロは実に稀だ。

2004/7/27 火曜日

似てた・・

Filed under: 友人 — patra @ 1:33:48

「冬のソナタ」を一度も観ていないお嫁のフミちゃんが日本へ戻ってついに動いてるペ・ヨンジュンさんのCMを見たらしい。
夕食の時我々共通の友人の名をあげて
「(マレフィスの)タク君に良く似ていますね」と言うのだ。
え、そうは思えないけどな〜と、このところ逢っていない若者の面差しを必死で辿ってもピンとこない・・・
「太っちゃったんですよ、最近、この辺のホッペとか似てました」
 
暫くたってペ様の1作目「初恋」の影像を見たら、髪が短くて痩せたタク君がそこに居た。
なるほど、フミちゃんは確かな目を持っていますな、女子美の彫刻科卒は伊達じゃ無かった。

2004/7/26 月曜日

残酷な側面

Filed under: 日々雑感 — patra @ 20:29:13

昨日、観た中国の秦の始皇帝を題材にした映画「ヒ−ロー」は衣装の美しさが飛び抜けていた。

黒沢明監督の「乱」でアカデミー衣装ザイン賞を受賞した日本の誇る和田エミさんの仕事である。

2年以上の歳月をかけて取り組まれたであろう力作は優美さと洗練に満ち、機織りから用意したのではないか?と思わせる布の量感の美しさは、布の重さ、性質、動きを熟知したデザインだ。
どの場面も息を飲む美しさと色・・・こんな作品は生涯にそう出会えるものではない。
和田エミさんも渾身で打ち込まれたにちがいない。

陳藝謀監督のメーキングを観ていたら、楽し気な和田さんがスタッフとして写っている。
敬虔な仏教徒、ジェット・リーに彼手製の数珠を頂いて満面の笑みをもらす満足気なお顔も輝いていた・・手相もご覧になるらしい。
 
構想3年、撮影6ヶ月有余、映画を1本作り上げるまでに係る気の遠くなるような時間に目眩を感じる、
完成へと、纏めあげるまでにスタッフに強いられる沢山の犠牲も数え上げればきりがないだろう。

監督の言葉は静かで強い。
「人々の協力なしには何一つ出来ない、画面に写る役者はもちろん、それ以外の沢山のスタッフに支えられている、」
初めて陳藝謀監督に指導された時はチャンツィイーは演劇学校の生徒だった。
今では人気一番の若手女優だが「初恋の来た道」でドアを開けて飛び込んでくる表情がどうしても出来なくて不貞腐れていたら、
監督は怒りもせずに側に来て、静かにこう話したそうだ・・・

「君達役者は画面に写る映画のほんの一部の人間にすぎない、もし君が投げやりな気持ちになってしまったら、
見えないところで一生懸命支えている他の人達はどう思うだろうか・・・」
それを聞いてチャンツィイーは号泣してしまったそうだ。
「それからは全ての人々、一緒に映画を作るスタッフに感謝の気持ちをわすれません」と。
(more…)

2004/7/25 日曜日

「ヒーロー」を観る。

Filed under: 感想 — patra @ 23:55:26

今日はBSで陳藝謀(チャンイーモウ)監督の「ヒーロー」を見る日だ。
待ちに待っていたので早めに夕食の準備をする。
暑いので夏野菜(茄子とタマネギ、紫蘇)を細かく刻んだ所に合い挽き肉をハンバーグにはせずにエスニックに仕立ててみる。
ナツメッグと胡椒、塩で良く混ぜて、食パン1枚まぜてコネた種を薄く天火皿に伸ばしオーブンで焼いてみる。
つけ合わせはニンニク芽のソテーとジャガ芋と人参の粉フキ、バター風味。
もやしを水から茹で、しゃきっとさせて辛子醤油和え。キュウリの漬け物。
出来上がった所をまず殿老人に・・・
案の定若向きなので「塩あじの肉か?」と不平ちょっぴり。
彼はハンバーグがお好きなのだ。でもしっかり残さず召し上がる。

大急ぎでシャワーを浴びようとおもったらアメリカから電話があった!うわ〜タイミングが悪いな、と思ったので正直に映画を見るのよ、と伝えて切る。
申し訳ない、海外の電話は時間差がお互いに掴み難いから時々はこんな事もあるのだが心よく切ってくださって感謝。

大急ぎで水浴びし、洋服を替えて出てきたらもう3階から息子が来ていた。
フミちゃんも交えて食事を楽しむ。
手抜きのエスニック風でも喜んで貰えたので汗かいて作った甲斐がありました。
最近、凝っている抹茶のアイスクリームを食べる頃、やっと映画。
2階でひと休みしていた母も呼んで、姿勢を正して鑑賞する。

満足と感動で暫く言葉も出ないくらい美しい映画だった。
御承知のように私は春秋もの、史記が好きで易経好きなのでこの映画のテーマ、「復讐でもなく愛のためでもなく怨みでも無く、名誉のためでもない闘い」に心が震えた。

役者の顔が精神までを表していて監督の意志が隅々にまで伝わる、影像以前の意識の高さにほぼ嫉妬。群集の扱いが素晴らしいからだ。写らない所の人間の意識までも高めるのは相当な精神力だ。
日本だと声を枯らしてもあれだけのエキストラ、統制ができないだろう..。
影像の美しさ、衣装、和田エミさんの素晴らしい仕事に唸る。役者はもちろん何ひとつ不足のないワイヤーアクションまで堪能できた。

2004/7/24 土曜日

猫、災難。

Filed under: ネコ — patra @ 21:24:22

昨夜、シャワーを浴びたあとのんびりとブラッシングをしていたら恐ろしい音が食堂まわりで起きた。!?
目まぐるしく走り回る音に何か引きずる音、ぶつかる音、唸る音。
まるで怪獣が乱入したような感じ・・・
怖いけど勇を決して洗面所から部屋を覗くと、雄猫チップの尻尾にネズミ取りのクルクルが・・・
しまった!
春にチェストのしたに仕掛けて忘れていたいたものへ暑さで伸びたチップのシッポが引っ付いたらしい。
唸りながら部屋中を走って父の椅子のしたで震えている。
一体何ごとが起ったか?と思ったが思わず笑ってしまう。
ごめんよチップ。
それでなくとも弱虫猫なのに・・・
 
椅子の下で動かなくなったので、思いきり引っ張がす。
「うんぎゃ〜」
すっかり忘れていたのにネズミじゃなくて我が猫ちゃんが引っ掛かったお粗末。
ハサミでベタついた粘着剤がついた毛を切り取るのにも怖がって唸る。
けれど絶対に私の手は噛まないと信じているので
「ほらほら」と声かけながらシッポの毛、半分も切ってしまう。
恐ろしいくらいベタベタだった。
朝まで自分のシッポを嘗めどうしのチップ。
部屋は猫の毛だらけで悲惨だった・・・
 
もう一度掃除機かけて、もう一度シャワー。ぐったり。

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