2006/2/18 土曜日

牛蒡のポタージュ

Filed under: 人物,料理 — patra @ 6:12:47

牛蒡のポタージュ料理コーディネーターの女性が作っていた牛蒡のポタージュをTVで見て珍しく作ってみたい!衝動にかられ「ラヴェル、その病と苦悩」BS2放送を待つ間にトライする。
日頃母はラヴェルのボレロが大好きで御葬式にかけて欲しいと熱望しているので夜中の番組だけどラヴェルのことは何も知らないので見ることに。

牛蒡のポタージュ母の人工股関節の古傷に棲み着いた菌は癌などでは全く無い・・ただの細菌。そう何度も病院のお医者様に断言してもらったので一応、安心ではあるが仮に癌ならば食事方法が重要なのだ。菜食オンリーの食事にし、且つ満足させないといけない。

牛蒡の食べ方に飽きが来ていた最近なのでポタージュの情報に飛びつき試行錯誤してみる。
泥を良く洗って適当に切った牛蒡を圧力鍋で少しの水、ここへ丸の皮を剥いた玉葱1個と丸の剥いたジャガ芋を味にマロミを出すために投入、コンソメの素1個丈入れて圧力があがって3分に設定。

牛蒡には良い香の種類とやや普通があるが、今日のは普通。
フードプロセッサーで全部マッシュする。茹で汁も入れながら3回に分けてすり潰すとそれだけでもポタージュ風。

小鍋に小麦粉とバターを大匙1づつ入れホワイトソースの種を作りここへ牛乳とマッシュした牛蒡を入れ塩で味見・・「お、何か高級な深い味わいなり」
舌に牛蒡の細かい繊維がざらつくのが気になったのでシノワ(漉し器)でポタージュを漉す。これは結構時間がかかりますね。
スプーンでゴシゴシとシノアの野菜クズを押し付けていると鍋にはまろやかなポタージュだけが・・
牛蒡の香りも活きているので白胡椒と塩だけで味を仕上げる。

お皿に残っった牛蒡の残りカスはとても味がいい、捨てては勿体無いので後で何か工夫することにして「ラヴェル」をみながら味見に頂く。これは見事に欧風料理。

62才で脳の病気から作曲どころか失語症になったラヴェルは回りの懇願で外科手術を施した後7日目の12月25日に亡くなっている。1937年の事だ。

葬式の音楽はドビッシーの牧神の午後にしてほしい・・・そう生前、ラヴェルは弟子の質問に答えたそうだ。

「私は人生に失敗した。もっと作りたい曲がいっぱいあるのに・・しかもやっとの思いで完成したものばかり・・。」病苦に苦しんだラヴェルの言葉だが
弟子のマニエル・ロザンタールは言う「全ての作品を演奏されている作曲家はラヴェルだけ・・」

朝降りてきて嬉しそうに牛蒡のスープを中華饅頭と一緒に食べる母の笑顔をみながら「しあわせ」の種類の何と多い人か!?と彼女の単純さおもう。

牛蒡のポタージュを食べていたら失語症のラヴェルさえ「もう一杯所望したい」と言うにちがいない・・・そんなデリケートな出来だった。

お皿は1987年のコンピューターグラフィック作品、by Emilio Bergamin ITALY
大き過ぎて使わないものを20年ぶりに、これセットです。


  1. みさちんです。
    ステキなコーディネイトが更に美味しさを増す逸品。
    美しいお皿。美しい牛蒡のポタージュスープ。
    更に美味しかったのですね〜。肉まんが可愛い。
    このポタージュセットが女性だったら完璧かも?
    美しくセンス良く、品性があって、大地を思わす豊かさを人々に与え
    お茶目な心も忘れない。
    ああ、私もなりたい。

    コメント by みさちん — 2006/2/18 土曜日 @ 13:28:58

  2. >みさちん
    マクロビオテックな食事で母の30年に渡る癌体質を直してきた私ですが
    結構手間がかかるのが難儀でしたが圧力鍋とフードプロセッサーは便利です、

    >このポタージュセットが女性だったら完璧かも?

    この意味するところはデザイナーが女性だったら!?という意味でしょうか?
    あるいは・・

    こんな地味なグレイ色なのに滋味で人を喜ばせるセンスのあるポタージュセット(愛嬌のある肉マンも含め?)が人間の女性だったら!!

    もう完璧ですよね、たしかに(笑)
    ぜひそんな女性を目指してください。
    ところで
    ラヴェルのビデオかDVDを収録した方、何方か居ませんか?カナダの放送局らしいけど。

    コメント by patra — 2006/2/19 日曜日 @ 0:24:00

  3. ラヴェルのボレロ、私も好きです。ラヴェルさんのことは知りませんが^^;

    牛蒡の香りのするスープが出るフランス料理店があります。思い出してみると、patraさんのレシピのように、ジャガイモの味もしました。でも、もっといろいろな野菜が入っているような、複雑な味がして、残り物の野菜をスープにしているのかなぁと思うものの、味が深くて美味なのです。手間と愛情がこもっているのでしょうね。あぁ、また食べたくなってきました〜♪

    コメント by ヒロ子 — 2006/2/19 日曜日 @ 11:46:51

  4. >ヒロ子さん
    スープを作る前に良〜く考えたんです。
    牛蒡の素材だけではコクが出ないだろう・・けれどシンプルにしないと牛蒡があまり匂わないので負けちゃう!
    そこで王道の玉葱とジャガ芋をあえて炒めずに丸ごと牛蒡と圧力鍋。この隠し味が効果的でした。

    良いお店が御近所にある、何とよい街でしょう。

    おいしい鰺の干物と白菜漬けがあればご機嫌な私なんですが、干物も当たりはずれが多い近頃ですが昨日の朝のは旨かった。

    ラヴェルは哀しそうなお顔を記録フイルムではしていました。病気療養にモロッコへ行き刺激を受けて一瞬輝く目をするのですが2週間とはつづかづ失意のうちにパリへ。
    脳の手術を受けなくとも廃人になってしまったでしょうから・・運命ですね。

    コメント by patra — 2006/2/20 月曜日 @ 0:20:17

  5. もちろん、肉まんも含めて!お皿と牛蒡の色合わせが私の大好きな感じです。
    すっごく、完璧な女性です。
    牛蒡のポタージュ色のバッグを買いました!
    薄いベージュのコートと靴に合わせます。
    微妙なグラデーションです。ふふふ。

    ラヴェル・・。ボレロは大好きです〜〜。

    コメント by みさちん — 2006/2/21 火曜日 @ 12:04:53

  6. >みさちん
    グレイ色とベージュ、もう大人の絶妙な色ですね、すばらしい。

    私は微妙なパステルが結構好きでグレイイッシュなピンクとかオレンジの淡いしかも気持あるかなきかの濁りを混ぜた色・・
    セクシーで品が良い色って素敵よね。

    みさちんの好みも微妙な色見で大人っぽくて決ることでしょう。清潔でしかもセクシーって高度ですね。

    コメント by patra — 2006/2/22 水曜日 @ 10:15:54

  7. ラヴェルある程度は存じておりますが… やはりパヴァーヌでは。

    コメント by minai — 2006/2/28 火曜日 @ 21:51:53

  8. まぁ・・・こんなところにひっそりと>minaiさん♪

    パヴァ−ヌ?孔雀・・それとも
    ラヴェルの亡き王女の為のパヴァ−ヌのことでしょうか?

    寒い今年です、お身体はその後いかがですか?私はどうも最悪の春になりそう。
    しかし突然現れては消えるお人ですね。
    いつまでも元気でいてください。

    コメント by patra — 2006/2/28 火曜日 @ 23:21:24

  9. 寒い体に元気を!!!

    コメント by 深夜 — 2008/1/10 木曜日 @ 8:43:30

  10. 深夜さんが早朝に・・・♪

    コメント by patra — 2008/1/11 金曜日 @ 20:05:14

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