少年の心を持つ老人J.J.
映画通でジャズ通、ミステリー通で、徹底的にダンディな植草甚一さんの事なら高平哲郎さんや矢崎泰久氏がいちばん詳しいのだろう。明日、2日『新宿・Jazz・植草甚一』と題した講演と『サブカルチャー雑誌と植草甚一』という講演が紀伊国屋ホールであるらしい。
でも自慢しちゃおう!・・・私はその当時、若者に神様、と崇められていた植草甚一さんに、氏が60才にして始めて行かれたニューヨークで、お土産に購入したらしい、リグレイのガムの包装紙を印刷したビニール製のベルトを2本も頂いてしまう、という光栄に預ったのだ。当時住んでいらした経堂のアパートメントへ、仕事の依頼で、アートディレクターと一緒にお尋ねしたことがあるのだが、残念ながらその企画は氏の意図には添わなかったものらしく、その場で丁重に断られたのだ。・・かわりに、と、そのベルトをいただいた。(既に母親で大人だったにも拘らず、三つ編みお下げ髪にしていた私からきっと植草さんは、頼り無い高校卒くらいに思ったのでしょうか、孫に話すように何度も、分かる?というように振りかえり、それはそれは丁寧に対応くださったのを覚えています。)
昭和49年頃の話です。
調べたら父より4才、年上でした。
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