洋服の良さ、着物の良さ
親戚の法事へ出かける母がブラウスと黒いカシミヤのカーディガン姿、黒のスラックス姿で現れた。
残念、お腹とお尻が出っ張っていなければ・・・と大笑いでしたが夏まで着物一辺倒の方にしてはとてもお似合いです。
介護問題に詳しい姉が伯母の為に「有料老人ホームをこのところ観て回っているけど、ひどいものよ」とため息と共に色々と持ち込んでくれた洋服類です。
「酷いって何が?」そう尋ねると、
「多分、有料ホームだからそれ相応にお金の不自由は無い入居者だと思うけど、娘さんのいない人は着る物に誰も注意を払わないのね。
誰もお洒落をしている人が居ないのよ。
何だかもう憂鬱な感じ・・・お洒落な伯母さんをとても行かせられない」とため息。
今まで着物ばかりだった母を私も気を付けて季節感を現す帯揚げや帯留めで工夫をして、ヒドい格好になるのを注意していたものだ。
股関節手術痕の感染症のために病院へ通うようになって流石に着物は無理。
姉も外で見る老人を客観視するようになったら老人にこそ「色」が大切だ!と思うようになったらしい。
「明るい色、はっきりした色だと遠くからでも目立つし、老人こそお洒落しないと回りの空気が暗くなるわよね」
それでせっせとバーゲンやフリーマーケットで10着ほど組み合わせて持って来てくれました。
ジャケットの下に赤いユニクロのフリース千円成り!が可愛いひと組も。
翌日、早速、看護婦さんに誉められたそうです。
照れずに着こなす努力をする母も偉い!
ひとつ残念なのは着物だと体型がスッポリと隠れるけれど、洋服はお腹回りがどうも・・・。
姉の選んだ中には秋用のピエールカルダン(東洋人に強い?)の茶系ワンピース1点のみ母の体型、パーフェクトに隠してました。