筑紫哲也氏の秋葉レポを見ていたらメイド姿のウエイトレスに反応していらっしゃるのでちょっと面白い事を思い出してしまった。
青山から撤退した後の事務所は当時サントリーや日立のCMで活躍していた美術デザイナーに父の設計事務所だった場所を1982年に改造して貰い、今のバーにした代物だが、せっかくなのでとオ−プニングを開いた時の事です。
お世話になったデザイナーやカメラマン、モデルと一緒の飲み会です。丁度、仕事で作らせたイギリス映画に出て来るようなレースの頭飾りやレースのエプロンがふた組事務所にあったので、数人居た助手の女の子の勇者に着てもらいました。
ヨ−ジさん川久保さんの黒い衣装ばかりが流行っている時代ですから、パーティに見える人ほとんどが黒では面白く無い・・・助手の小さい百合ちゃんは凄くメイドの衣装が似合って、本人も大喜び。銀のお盆を持ってお客様の間を注文を聞いて回りクルクルとメイドに成りきって働いてくれてました。
其の時に奥様と一緒に現れた売れっ子ム−ヴィカメラマンの三明さんに「やり過ぎだよ!いくらなんでも」と笑われました。
ま、今おもえば確かにワザワザ、メイドの衣装を作るのはやり過ぎだけど、私の年令のパーティと言えば仮装がとっても流行った時代に育っているのです。
衣装があるならば、絶対にそれで遊びたい、と考える方が自然です。
強制したわけでは無く喜々として役に成り切る事が出来るコスプレの不思議!何も「電車男」からだけでは無く形は変えても時代時代に伝承されている遊び方なんだ・・・そう思ったら凄くおかしかった。
そして三明さんの奥様、当時人気モデルさんは「明日のパーティに私もメイドになりたい・・ぜひ一式貸してね!?」と耳打ちされて喜んで御貸しした記憶を思い出したのです。
「御主人様・・」
遊びならば、一度は女子も言ってみたい台詞なのかもしれない(笑)。
ファッション、流行は繰り返す!こうして遊び心は受け継がれていくのだが、驚く事はしっかりとそれらが商売になる、そう践む人間が居る所に時代の逞しさがあるのかもしれない。
ニヤニヤしてらした筑紫氏も若き頃何らかのコスプレパーティを目撃されていたのかもしれない。
さて来年の流行は何だろう・・・
馬鹿らしいことが経済の活性に結びつくので一概には切り捨てられないものだ。