生命力溢れる絵
前にもブログでご紹介したCMディレクターの東條氏も去年、帰らぬ人となったのですが
私の友人である奥様から遺品となった数々の絵が、スポンサーだった大手会社、数社のご協力で絵ハガキになったので・・とお分けいただいた。
多岐に渡り才能に溢れる方だったので、陶器や絵に最期まで楽しくお暮らしだったそうです。どの絵もリアルに躍動感にみちています。いつもスケッチブックを手放さない方だったそうで、病に倒れても平常心の、それは見事な終り方だったそうです。
しみじみと絵はがきを眺めていたら、私の現役時代の尊敬する師、カメラマンの国房さんの名前が・・・赤タマネギの絵の横に東條さんの鉛筆で”国房さんの赤タマネギ”と記してありました。お二人はコンビで良くお仕事なさってらしたそうです。千葉にお住まいの国房先生が赤タマネギをお造りになってたのか?と想像したら昔では考えられないので、すごく嬉しい発見でした。
見えない縁の糸・・は今日もありました。
訪問看護士さんが私の足をマッサージに来てくださるのですが、この絵はがきがテーブルに在ったので、お見せしながら亡くなられた妹さんのお話にまで思いを馳せました。
まったく偶然でしたが、大病院の婦長さんだった看護士さんの亡くなられた妹さんは日本初のキャスティングプロで(頑張れ玄さん!!で有名になったコノミちゃん、最近ママになったけど)あの有名な子役を電車の中で発見、口説いてCMに出演させた才能の持ち主、成田さんだったのです。残念ながら,私はご一緒の仕事はありませんでしたが・・・もう亡くなられて十数年経ちますが40才にして、癌で倒れました。
「妹の存在を知ってくださっている方とお会いできるなんて・・嬉しい!」
偶然にも同じ広告業界に居た私のサポートをしてくださる縁を喜んでくださいましたが、成田さんのお姉様にサポートして頂く縁に驚いたのは私です。
楽しくやりがいのある広告業界でしたが、過熱するような時代、討ち死にのように亡くなる先輩が実に多かった。成田さんも発病後、きっぱり事務所を閉めて北海道へ戻り,気持ち良い暮らしの中、静かに亡くなったそうです。
東條氏も岩手に半分隠屯しながら時々仕事,岩手の民話を書き起こす優雅な時間を,晩年の再婚で得た幸せを満喫しつつ過ごしてらしたのを,奥様を通じ知っています。
好きな仕事に燃焼し尽くして,時代を終られたお二人は、きっと満足ですよね・・・それが何よりいちばんだいじな事・・と看護士さんと共通に語ることの出来る縁をありがたいと感じました。
溢れる清水を両手で汲むような努力でも尽きるまで・・・