厳しさも此所までくると
【恩あればなり】
たとひ明日食ふべき物なしとも、
釜を洗ひ膳も椀も洗ひ上げて餓死すべし。
是れ今日まで用ひ来りて、
命を繋(つな) ぎたる、恩あればなり。
これ恩を思ふの道なり。
この心ある者は天意に叶ふ故に
長く富を離れざるべし。
(夜話二〇一)
【略解】
いただいた恩を忘れず
少しでも報いようとする心がけは、
天意に叶う第一条件ではないだろうか。」
しかし
釜を洗い膳も椀も洗いあげて餓死せよ!には不謹慎ながら笑ってしまいました。
が、心得の真理としては正しい。ある種の凄みがありますね。
人間は脆い生き物だから,食べるものが無ければ茶碗どころか身を清潔にたもつさえ覚束ないであろうに。
が心の片隅に覚えておくべき教えかな・・・
ヤレヤレ・・・
明日でいいか、後でいいや・・・この緩みは大敵です。
一人暮らしになって特にそう思います。
食べたら直ぐ洗って仕舞う、そんな日常が平常心を養うようです。