2008/6/2 月曜日

N.Y.の友人

Filed under: 友人 — patra @ 8:04:52

私の現役時代はとっくに過ぎ去ってしまっているが、時々、その当時活躍していた人のお弟子さんがコンタクトしてくれます。彼もその一人、1999年ニューヨークへ行き頑張りつづけ、メーキャップアーティストとして4年程前から独立できたそうです。きれいなウェブを教えてくれました。ほぼ12年前、結構厳しいことを私に言われたのに、努力し続けた結果がこうして出つつあるのですね。こんな報告を聞くと一番嬉しい隠居です。「今は何を言っていただいたかが良く理解できます。ありがたかった。」
なんという謙虚さでしょう、全ては諦めずに続けていた君の努力のなせる技だと思うのですよ。
私の言ったことは、仕事を終えたからと言ってホっとしない、そこから家に戻って道具を奇麗に洗い、明日の用意をすることまでが1日の仕事、だったと思う。プロファッショナルへの道は其の仕事を好きになる事・・・仕事道具を清潔に保つといった簡単なことから始める事でした。それを守れる人こそ残っていく人。彼はそれが出来た。次ぎのステップがたのしみです。
何だそんなつまらない事を・・と取られがちだが、人に美しいと感じさせるには普段の所作が重要なのだ。言葉が自在に操れない時期には特に凛と伸びた背筋と所作が身に備わっていてはじめて人は自信を持てる。高野聖の修行僧の美しさはどの世界にも通じる無駄のない姿から滲み出るもの,日々の所作の集約です。そんな考えから、競争の激しい美の世界へ船出する若者に贈った心からの応援歌だったのです。お礼を言われ私の方こそありがたい、と思いました。


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