2008/3/25 火曜日

ラナンキュラス

Filed under: 家族, — patra @ 0:09:52

cimg6443.JPG ラナンキュラス雨だったお彼岸の翌日、姉が母を連れてお墓参りへ行ってくれた。
帰りに真っ白い芍薬を5本、私へ、と手渡してから、上がらずにすぐ帰っていった。
ラナンキュラスとフリージア元々色の白い姉は、その日、天候のせいでまるで輝く芍薬のように白く、見た所、元気そうだった。
部屋に戻り花を生けて気がつくと芍薬ではなく大振りで見事なラナンキュラスの白と僅かにピンクがかった白だけを選んでくれていた。お花の選びかたがとてもセンスが良い姉のお気に入りの花屋さんからだった。
去年の入院中もお部屋の患者さんや看護婦さん達に姉が持って来るお花は評判だった。
その姉がまさかの癌である、かける言葉もみつからない。

最近、癌病院に指定された駒込病院で幸運にも院長先生に施術して頂き、目下治療中の姉は「先生方は喜んでいるけどどうかしらね〜おまかせするしか無いから」と達観しているのが切なかった。
「まるで君のために開発された薬みたいに良く利いてますよ」と言われていると笑っていた。
今まで保険が認められなかった抗癌剤が、安い負担で済むように成った時期の闘病はラッキーだと言われたそうだが循環器系の癌は転位があるので予断をゆるさないのだ。
奇しくも私の骨折退院と入れ代わるように入院手術と抗癌剤治療になったわけだが、でもこればかりは本人に頑張って貰うより仕方が無い。
「人間は何時何があるか解らないのだから命に期限があるという癌はむしろ幸せよ」
という近藤先生の受け売りのような普段の母の口癖。
それは90まで生きた人の考え、若い姉には酷だ。そっと見守るほかないでしょう。
何もしてあげられない私が母の後ろから<ごめんね>と姉に手で合図すると
「うん」と頷いて帰って行った。
花に添えられたカードに「いつも母のお世話をありがとう」と記されていた。
母の世話くらいでお役に立つなら、しんぱいしないでね・・・


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