2006/7/20 木曜日

卑しさを最も嫌った白州次郎・・・

Filed under: 人物,時代 タグ: — patra @ 11:21:27

昨日夜中に明石家さんまの番組で「白州次郎」の特集をやったので見る。

我慢して見た。というのは芸人としてサンマさんの芸風がサッパリ解らない。第一声が大嫌いである。煩くてたまらない。そんなサンマさんが事もあろうに白州次郎という稀有な男を語ろうというのだから気になってしまう。
案の定、何もかも台なしにする彼の下品な音声を一々消してみる他なかった・・・。

白州次郎武相荘

白州次郎という人の美しさはもちろん顔もスタイルも生き方も桁はずれに極上だが、一番大事なことは、戦後の自信喪失した日本人の中に覚悟を決める生き方には原理原則があるよ、と見せてくれた男気が一番美しいのである。

「戦争とはどちらかが勝つかどちらかが負けるものだ、負けたからといって負けた方(日本人)が悪いわけではない、プライドまで捨て去ることでは無い」とハッキリと言うべき所は主張した勇気。

ゲストの素晴らしい話がサンマさんの高笑いで帳消しになるのが腹がたつが、さすがに抑えているほうだろう。

元帝国ホテル社長の犬丸さんの話の中の白州は「次期社長だろう?」と水を向けてから、謙遜する犬丸氏に出世して役職が上がれば「役損もあるよ・・」とモノの真理を教えたそうだ。役損があることを意識し公私のけじめを大事にしろ・・と。
今の時代にこうした俯瞰でモノを教える男がいないのが残念でたまらない。

鹿島建設の従業員が徹夜でゴルフ場に流したコンクリの養生をしている時に、不審者と勘違いされ、どなり込んで来た知らない老人に「帰れ〜」と一喝され、「お前こそ帰れ〜俺はコンクリを見張っている仕事だ〜」と逆に(白州)老人を怒鳴りつけて追い出した話が当の今は立派になった本人から紹介された。
翌日鹿島建設の役員と一緒に呼びつけられた当の工事人の若い衆は初めて夕べの老人がゴルフ場のオーナー白州次郎であると知り、縮み上がる彼の側に来てやおら促すように一緒に腰をおろすと立ったまま緊張している役員たちに向かって

「鹿島建設に頼んで良かった、末端まで責任感のある会社だ、素晴らしい」肩を叩き、かえって誉められたエピソードなぞは最も白州次郎らしい話だった。

ご自分でも「俺、いやしい固まりだから嫌われるだろうな」と何度も媚びるように言うサンマさんだが、次郎は返事はしないだろう、多分誉めもしないだろう。

白州次郎が吉田茂の元で働くことが無かったら、日本国憲法はもっと酷い日本語になっていただろうから、この番組で若者に白州次郎を紹介してくれた労は感謝すべきか。

しかしあの声、なんとかならないのか。
芸風を変化させる大きなチャンスだったのに・・・


  1. マスコミへの疑問

     今、私が何よりも言つておきたいことは、日頃、皇室を無視(侮蔑)するが如きマスコミが、A級戦犯分祀や代替追悼施設推進に都合のよいこととなると、突然昭和天皇の「御意志」が何よりも重要とでも言ひたげに、一面トップで天皇の権威を振りかざすことの笑止千万である。…

    トラックバック by 福田 逸の備忘録―独断と偏見 — 2006/7/22 土曜日 @ 2:40:47

  2. Vol. 54  白州 次郎

     もうすぐ61回目の終戦記念日です。 戦後の6年間、日本はまだ占領下にありまし

    トラックバック by ビートルズな気分 — 2006/8/10 木曜日 @ 21:39:57

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