腕が上がらない・・・
寒さのせいかストレスか、このところ忙しかったせいか腕がだるくて家事がはかどらない。朝起きて台所のドアを開けたら母が新聞のチラシの料理写真に見入っていた。二人して同時に「美味しいものが食べたいねぇ」と合唱してしまう。二人きりだとホントに凝った事がしたくない。五穀米のご飯でニラ卵とじと白菜漬けに、あいも変わらぬ具沢山の味噌汁で朝食の後、掃除をしようとして、掃除機を取り落とした。手を見たら、何だか大変な事になっていた。妙に皺っぽい。冷たい。これはいかん、と慌てて指の運動。しかしこの間買って貰ったゴム手袋が大き過ぎだったのも原因で、去年までの小サイズでは小さ過ぎて手に張り付いちゃうし、「私はMです。M」こんな簡単な物さえ人頼みだと手に入り難いのは何故だ?
世の働く人々よ、自分を基準にせずに頼み主の手の大きさくらい、言われなくとも着目してくれ!・・・なんて。うっかり私が確認しわすれたんだけどさ、大は小を兼ねる、とはコト、ゴム手袋に関しては嘘だな。指先が余るとまったく使い物になりません。そして素手で台所仕事だったのでこの始末・・・すると隣で老母が自分も一緒に手をかざし、大きい溜め息と共に「あ〜ぁ、ずいぶんとお婆ちゃんの手になったもんだ」と呟いた。
確かに。最も年令の表れる手と首だ、隠しようがないな。「ヨシ、今夜は鰻を奢ろうか?」と言うと「やった〜」と喜ぶ。洗い物が無い夜が幸せとは・・・。
ちなみに手を動かす回数が減ったことが手の老化なんだろうな、と思うのだが日曜は店が休みで,結局の所、義経を見ながらレトルトで櫃まぶし、三つ葉をたっぷりと白胡麻入り。
「こんなもんじゃろうか?うまかぁないね」「何が?鰻?」「ううん、義経の演技がさぁ〜」「なんだ(笑)・・・演出も、最近モタついてるわよネ、隙を見て忍び込むのに、あんなに悠長に喋っていちゃ・・」「そう、そう緊迫感がちっとも出て無いし、そろそろ本気だしてもらわないと・・パリリ(漬け物の音)しかし、中井君の頼朝は、何かあんな人間だったように見えてくるから不思議よねぇ。柄が似合ってるというか、」
母、すこぶる元気なり。
然し、家に自動食器洗い機があるのに使わない貧乏性の我々。ほんとに水の節約になるのだろうか?