香りが匂いたつようなスープ鍋の画面がTVに映しだされています。椎茸と昆布と他に何だろう・・?
辰巳芳子先生が対談相手のシェフ中村勝宏氏のカップに注いでお出しになったスープは「蒸しただけで作ったのです」と仰ったが、ほんとうに澄んだ綺麗な命を繋ぐにふさわしいスープでした。
人生の歩き方 の番組の中で先生のお部屋が又素敵でわくわくしながら後ろの棚の調度品など’ベネシャングラスかしら?’などと眺めていました。
「スープの会」に見える生徒さんは何方も教えていただいたスープを復習し、作ってみた方が居ないようでした。
「もったいない」
画面を拝見しながらそう呟く私。と同時にTV画面の先生は少し落胆したような表情を一瞬なさって「ここに学べる方達は恵まれているのに勿体無い・・・でも作らないのに作りました!と言うよりはずっと良いわ・・・私ならば言ってしまうかも」と笑われましたので、緊張から救われた生徒さん達は、ドッと笑い声を上げていました。
命をつなぐスープ・・と言ってもその尊さ大切さは惜しみ無い愛の形なんだ、と分かる所まで学ぶには切ない看護をする当事者にならないと中々理解できないものなんでしょうが、そうした人達は閑が無いという皮肉な現実。
聖路加の子供病棟でポタージュを振舞う先生が、おかわりをして「いままで飲んだどのスープより美味しい」と答えた病気の中学生を抱き締めんばかりにみつめる眼差しは慈愛そのものでした。
来週は私も御会いした事のある詩人、料理上手の高橋睦男さんとの対談・・楽しみです。