着物地をほどく・・・
「一昨日のジャガイモも美味しかったけど、こんな大きい銀杏見た事無いわよ、すごい」起きてきた母、早速つまんで吃驚した顔、「でも銀杏ご飯なんて香りがないからつまんないわよ、え、ポタージュ?ダメダメ勿体無いから、何時もみたいにこのままたべましょう」
と書くといかにも元気そうな母だが、古い手術痕に巣食った感染症のために足の長さが大分違ってきて身体が安定しないのでテーブルまで歩くにも荒い息をしてます。美容院の階段があがれなくなったので目下髪も伸び放題、帽子がないとちょっと大変な寝起き姿。いっそ短くしてあげたいけど当人は後ろの髪を伸ばし1930年代のアップにしたい!と
言い張るので長いパチン留めで後れ毛を一応抑えています。
当人の希望をひとまず受け入れてあげないと(笑)切るのは一瞬でできることですからね。
洗面台にシャンプ−ノズルを設置したおかげで自分で洗髪してくれますからまだ助かります。
そうなると着る物です。
折り鶴を一とうりマスターしたので、今まで着ていた着物を1日2時間だけ解かせています。大島などもう古臭い柄で着ない着物、これを洋服に作り直してみようと考えたのですが「功名が辻」の千代さんじゃないけどパッチワークや縁取りを加えれば何か面白いものができるかもしれません。
特にお気に入りはそのまま残すとして、母に選ばせたら男物のセルや手触りの柔らかい布を好むので案外洋服にも良いかもしれません。
何種類か解き、クリニングしてから色の組み合わせを考えます。デザインは直線を活かすブラウスやスカートです。タイのアンティークドレスからヒントを得ていますが、とにかく脱ぎ易く着易くないと嫌がるのでセパレーツ.アンサンブルに限ります。
ミシン捨てちゃたので着物地らしく手縫いのつもり、気の長い話で果たしてどうなるでしょう。
きっと私も同じような強情な性格は遺伝しているのでしょうが、じょうずに導くと懸命にはなる質なので解き物にこのところ、母は、むちゅうです。
昨日の産経に認知症の義母の介護について野原すみれさんが書いてらしたが『80過ぎで発症し104才で亡くなられたお姑さんの葬儀には、ご主人を含め3人の実子はみな体調悪く参列できない事態になったそうです、子供だって80に近いのですもの、これが高齢社会の現実だとおもいます』と書いておられましたが,大変じゃなく物事を捉えよう。
今、何か手仕事があるのはしあわせなことなんですね、農村の老人たちが元気なのを見ても解ります。
何もかも面倒がる母ですが、私も手を抜きながら、母のオシャレ心をじょうずに誘導し、せめて解き物といった単純作業でも教えてゆこうと考えています。
縫い針は危険ですので持たせられませんが・・・3時のお八つで餌ズケが効果的(笑)。