2001.9.11、結末から読み取るとは
「3年前の今頃も、こうして電話で話をしていたのよ、覚えている?」電話口から順子さんの静かな声が囁いた。今日(日本の12日夕方)、アメリカ時間の朝、メモリアルの行事が行われたそうだ。もう3年、まだ3年。
愛犬を亡くしてからは初めての電話だった。1ヶ月間、心ゆくまで看病したのでタローの事は思い残すことなく満足したわ!と意外に元気なので色々と話が弾んだ。結局、亡くなり方が突然だったココ猫のような死は、かえって後を曳くのかもしれない、としんみりした気分のところへ急に問いかけられて「もちろん、ツインタワーの飛行機事故よね、偶然にテロの話をしてたじゃない?、ほんとに怖かった・・・」
昨夜日本でも、巻き込まれて亡くなった富士銀行の社員、残された家族のドラマをやっていたのよ、と伝えると「私には何も変化がなかった3年だけど」とセントルイスからの電話は隣で話すようにクリアーだ。昔のように音声がずれて聞こえることがない。
器械だけは着実に進歩してる、、ロボットが感情を持つなんて近い将来、有りなんだろうか?とか、あちこち話題が飛びながら楽しく90分もお喋りをした。
この3年の間で富士銀行の名は消え、様々な変化が起き、今も深く静かな闇が日本全土に波紋となって広がっている。我が家はどうか?と言うと、皆、着実に、老いて来ています。
電話は、ただ売り込みだけ、毎日墓地の勧誘電話ばかりが、懲りずにかかって来る。
その度に母が元気な声で「あ、家では孫がもう、とっくに墓地を買ってくれましたから、結構です!!」とうれしそうに電話を切る。
これは本当なのだ。昔、社会人になりたての息子から『人生で一番、格好良いことって、一体、何だろう?』と質問されたので、気軽に「人生の最後のマル、終わりから覚悟して生き始める事が格好よい!」と言ったら最初のギャラでお墓を購入したんです。結婚もしない独身のうちにですよ。交通事故で一度助かった命です、一番後ろの○から逆に生きてみるのも、こんな時代に似合っているかもしれない。と意見一致。恩になった祖父母への最高の考行だったように感じています。心掛け花マルです。