時、同じ頃に咲いたロータスブロッサム。
ネット仲間絵師の丹精こめたミニ池に蓮の花が咲いているのを発見。
絵師は還暦祝いに絵を描いてくれた若者だ。
ここ2、3年の間、花の咲く気配がさっぱり無い、絵師のミニ池は苔むしていった。寂寞感が漂う写真をこっそりと見ては黙ってもどる隠居だった。
一方、絵師はマラソンをしたり、酩酊してナマズに変身したりしながらバスを運転したかと思うと香港の路地裏で仲間と集い、缶ビールを開けながら蓮の開くのを、気長に待っているようだった。
一向に咲かない蓮を慰めるつもりで、かえって減らず口を叩く癖のある隠居は「牡の蓮かもしれないですぜ」と、からかった。
その待望の蓮が、ついに、ついに咲いたのだ!!。
蓮の花が咲いた事と遠い故郷で絵師の事ばかり思って暮らすお母さんの心情が重なった。
それにしても実に絵師に似合う、うつくしくも厳しい蓮の花が咲いたものだ。