未完成のネフェルティティ
この彫像は今ベルリンの国立新博物館に保管されています。謎めいたエジプトの女王の胸像です。
この人の生まれ変わりのように美しい人が画家合田佐和子さんでした。過去形なのは当人が,今は否定するからですが。
人は美しさに拘るよりはどう生きたか?に拘るべきでこのネフェルティティの胸像が美しいのも時間が若くして止まっているからです。
もし80、90の年令を重ねていたら・・・人間の重みという違った凄さで我々見る物を感動させるでしょう。
老いるということを畏れるのは無意味です。
必ず人は老いと向き合うときが来るものですから・・・謙虚に今の己を認めるしかない。
亡くなった母は鏡に向かって「今が一番好き」と呪文のように言っていた。
もうめちゃくちゃなのだが、それでも正しいありかただと思って見てました。自分で自分を否定してどうなる物でもないから・・・
昨日,偶然にみたTVの「イパネマの娘」の伝説のモデルが健在で今68歳が素晴らしくうつくしいのも若さに溺れる亊無く,妻、母として忠実だった愛情溢れる家庭の暮らしからでしょうか。
何でもいい、愛情溢れる暮らしが本当は一番いいのだ、とシミジミと思いながら友の電話を聞いていました。
何も気がつかなかった・・・という事はそれほど幸せだったのだ。
生きている間は不幸だった絶世の美女ネフェルティティ・・・何が良いか?なんて誰も問えないし問題じゃない。
今を誠実に,何度も言う、今を忠実に生きること。
なんで唐突にこんな事を思うのかは、別の機会に書くとして、この胸像の美しさは,未完成なのにすばらしい。
未完成の侭・・・という所にドラマを感じてしまう