2011/3/14 月曜日

助けられての一人暮らし

Filed under: 時代 タグ: , — patra @ 22:40:23

地震後色々なところからお見舞い電話やメールが届いた.私が車椅子で一人暮らし、しかも高いビルに住んでいるので心配してくださっての事で有り難いと思う。
そのとき昔の仕事仲間の大先輩からスーパーに買い物客が押し寄せていて異常だった!と聞き「?もしや」と何時も届けてくれる加賀屋さんに日曜なのに電話すると、「確かに今品物空っぽなんです。月曜に入るかも不安だけど注文伺っておきます。」と親切な返事だった。
翌朝早く電話が鳴る。加賀屋さんだった。電車が動かないせいかお肉屋さんが出社してないから肉は無い,冷凍空揚げも無い、と無い無いずくし。そうか世間は買いだめなんだな〜と釣られて追加をアレコレ頼んでしまう。

停電があれば冷凍は駄目に成るし結局ご飯だけは多めに買おうとヘルパーさんに吉池へ行っていただく。「ありましたよ」と違う銘柄だったが15個ほど抱えて戻ってきました。ニコニコ顔。

その後.銀行女史と税理士美人さんと確定申告の書類や納付書に判等押し説明をうけたりヨモギ饅頭でお茶したり・・・その間中背中の腰椎が嫌に痛い。支払い手続きのために銀行へ戻る女史が心配そうなお顔です。
身体が曲がって仕事をするせいと11日の恐ろしい地震の時にやっぱり知らぬ間に無理な体勢になっていたのだろう。
ほんとは絶えずベッドに転がっていたいのだが・・・

税理士さんに付き合ってもらいお蕎麦を取る。天婦羅が美味しい天蒸篭、これが900円とは安いね〜と二人で大いに喜ぶ。
その後酒屋さんが黒ウーロンやCCレモンカロリーゼロや水,オリーブオイル,日本酒などを届けてくれて玄関脇のチェストに「うわーここ随分入るんですね〜」と言いながら箱から出して入れてくれます。
そして部屋の中のシンクの下にも手際良くお醤油やオイル、お酢等を仕舞ってから洗面所の横の隙間に残ったウーロン茶の箱を収めます。こうして不自由な私のかわりにキチンと商品を収める場所にしまって呉れるのですから,実にありがたい。その間中ニコニコ満面の笑顔です。いい人だ。

そして5時すぎに加賀屋さんの配達掛りの大男さん。4つの大きい荷物と共に現れます。
「佐藤のご飯があったので確保しときました!空揚げも入荷しました。ロールパンも!」と電話で一々報告まで入れてくれます。日本は住み良い,サービスに関しての細やかさは外国には無い見事さだ。

お金を払い判子を注文書に押して終わり。ご苦労様と見送る。
重いトマト缶やピューレ、オリーブオイルや果物類も届けていただける有り難さ
しかも何時もは肉担当の人、お魚担当の人夫々に電話を回してくれるサービスの良さで、ほぼ10年、スーパーにも行かれない私の日常生活は不便なことは何も無く,実に勿体無いくらいの親切な善意に囲まれて暮らしているのです。

なんというか畏れ多いことでありますが助かっています。
うっかり買いだめなんかしましたが、きっとその必要はほぼ無用にちがいない。

下までお盆を下げられない私の為に嫌な顔一つしないで器を取りに27階まで上がってくれる蕎麦屋の大将・・・しかも上手くて安い・・・ここから話は飛躍するが

何度も言う!こんな良い日本人が住む国だ、被災地への救済にも必ず思いがけない力を発揮し世界を驚かすだろう。
心から願う事は戦後の焼け野原からたちあがった我々の両親世代のあの底力は、ひたすら真面目に個を生きた結果なのだから。ここで頑張らなくては犠牲になった方々に申し訳がたたない。
残された日本人の生き方は、潔よく難局を受け入れ、決してくじけない心を育む事だと思う。


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