2010/4/7 水曜日

女房の人生

Filed under: 家族,料理 — patra @ 0:01:18

IMG_0056IMG_0054チラっとTVで熱烈恋愛の夫婦なのに、妻が30年間の鬱憤で夫を殺害!と言ってたな?
だいたい我慢する人生はとにかく身体にも精神にも悪いので、我慢は美徳にはならないと思うな。どんどん喧嘩をすれば好いのに。
口喧嘩に限る!だけれど、もちろん(笑)喧嘩すれば本性が分る。

昨日、母が嫌だと言った子持ち鰈の煮付けを出しました。彼女の意見は真面目には聞かずにね、そしたらどうでしょう?美味しい、美味しいの連発なんですよ。
ほら、やっぱりね〜。子持ち鰈は亡き父の大好きなお魚でした。

昔日本は貧乏だったので真子鰈や子持ち鰈は大ご馳走で子供や女房のお膳にはまず乗らなかった。母も父には出しても自分では食べたことがなかった、という倹しい暮らしだったのですよ。
第一、子供と父親とはお皿の品数もちがって当たり前でした。

「何でこんなに美味しいの?」と母が骨まで奇麗にしながら訊ねるので
「日本酒だけで、お水を1滴もいれてないで割烹料理屋と同じに作ってるから・・・」そう教えると、
「私の時代(戦後から昭和55年くらい)はお魚をお酒で煮たり味醂も使うなんて全然知らなかったわよー」とちょいと僻んで見せ、全く贅沢なんだからぁ・・・と娘を責めた。

「花見遊山もせず、映画も見ない暮らしにこのくらいは、必要でしょ?。ちなみに一切れ千円よ!」とバラしたら尚、驚いていました。
夫のお陰だけで生活してきた母は、日本の女らしく、やっぱり何処かで何かを我慢して生きてきたのだな?と改めて思ったのです。掃除洗濯料理とまるで駄目でも、分は弁えた暮らしはできていたのでしょうか。

子持ち鰈に目覚めたのは、何も今日が初めてでは無いのに、食べたのも忘れてしまう母なのですが。
老人になったある次期から、父は自分だけ余計に付いてる晩酌用のお皿の中身、母にも譲っていました。
突然に、女房殿が大事に思えたのでしょうが、実に全く日本の男は何もかも悟るのが遅い。


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