歌麿の水谷豊さん
番宣を見たかぎりでは歌麿が主役なのかな?とおもったらそうでは無い,中々面白い筋立てで導入から魅せられてしまいましたね。久しぶりに美術や小物,同心の着物の選びかたまできめ細かくいわゆる気持ち悪い設定(時代考証の不勉強)がないので安心して見ていられる時代劇も珍しかった。絵師歌麿の水谷豊さんはご自分では時代劇を似合わないと謙遜してらっしやるが、凄いですよ、歌麿の謎がかった多面性を時には鋭く,時にはなよなよと変化自在で計算しつくして演じてましたが、独特の身体能力がおありで動きが凄く良い。ラストのなぜ「おこう」が真っ白けのマダラな白粉を塗っているんだろう?という視聴者の疑問を一瞬で解き明かす歌麿の早変わりが、まったく違和感なく納得させられるのも身のこなしや素早い動きも含めさもありなん!と思わせる身体能力があるからでしょう。
吉川一義監督が原作を読んで「歌麿役は彼しか居ない」と10年間待ち続けた甲斐は在った。久々の橋之助はじめ脇を固める役者、みなさん実に声が良くて市原悦子さんの同心の母親なんか最高でした。気合いの入った特番時代劇を堪能した母は「さすがに疲れた、けどおもしろかった」としあわせそうでした。豊ちゃんと呼ぶくらいファンなのですから、もっと時代劇で剣さばきをみせててあげてください(笑)。