ねこ、恩返し?
食欲がない、と弱気だったお婆ちゃんがやっと落ち着いてきたのでホっとする。
もっとも当初はあまりにもケロっとしていたので、どうかと思う!と、つい叱ってしまったのだ。つまりは吃驚するばかりで実感がまるでなく、暫くたったこの頃、やっと涙が出る・・・と言っていた。そんなものかも知れない。孫、つまり私の息子やフミちゃんが優しく声をかけて励ますので大分落ち着いて来たようだ。
息子達が早速区役所へ行き、相続について色々調べてきてくれたので「やっぱり男の子は頼もしいわね」とすっかりご機嫌が直って夕食もたくさん食べました。こうなると何時ものお婆ちゃんになるので少し安心です。メールでも>お母さんを労ってあげて下さい!という内容が多いのがありがたかった。
去年からの予約をこなすために4日からお仕事をしながら、気を紛らわせるためにご飯作りに精を出していますが、一つだけ大きい変化がありました。今迄、お爺ちゃん優先だった為に絶対に作れなかったキムチ鍋(タラと豚ロース入り)を初めて作りました。辛くて美味しい。でも、どうぞ一口・・・とお皿に盛ってお供えしましたけど、はてどんなお顔で涅槃から目で召し上がっていることやら。
せっかくフミちゃんが持ち帰ってくれた洋梨のコンポートは遂に間に合わずに私とお婆ちゃんが、お供えのお下がりで美味しく頂きましたがソロソロ市場が開くので大好きだった洋梨やアボガドの好物をお供えするつもりです。朝一番に入れたお茶、新鮮なお水、お酒の菊正に炊きあがったご飯などお供えするのが楽しいので色々と話し掛けながらお花の水も取り替えていたらドドッと何時に無く大きい音をさせて階段をおりてきた猫のクララが父の部屋から何か銜えてお位牌の前にポトン・・・と落としました。
寂しくないように父の部屋は、あの日から開けっ放しにしてありますので猫たちも冒険しに出入りしてます。
”ニャ−ゴ”
「?」
何とマッチの箱じゃありませんか。「君って!?」
クララもチップもお爺ちゃんが大好きだったんです。それにしてもマッチの箱を銜えてくる猫ちゃんとは・・・葬儀屋さんの下さった蝋燭もお線香も使い果たし、暮れに短い蝋燭しかコンビニには無かったので長いのを買わなくちゃ、と話していたのを聞いていたのかしら?
ずっと切れていた殺菌灯が爺ちゃんが戻った日にパッと点ったのもふしぎ。「そうだった、お線香も煙たいのじゃないのを買わないといけなかったんだ、ありがとうクララ・・・」ふしぎがいっぱいの我が家、猫まで協力体制です。