アンリ・カルティエ・ブレッソン
「決定的瞬間」という言葉を生み出したフランスの伝説の写真家だ。20年前にも10年前にもパリの電話帳から彼の名を探しだそうと努力した。
絶対にお会いしてインタビューしたい!と勢いこんで。でも何処にも
ブレッソン氏の名は記載されていなかったのだ。当然だが・・・。
今朝の新聞に今月3日、南仏東部セレストの別荘で95歳で亡くなられていた、と発表されていた。
写真の原点の何たるか、をおしえてくれた「マグナム」の創始者が遂に逝かれたのだ、偉大な巨星。
私が最も影響を受けたカメラマンなのだ。パリへ行く機会があると、あぁ、この空の下の何処かで彼はファインダーを覗いて居たんだなぁ・・・と何度も写真集と見比べて面影を追ったものだが、いかんせん旅人には滞在時間が短すぎて・・・パリさえ広すぎた。
もっとも好きな彼の「ショット」は第二次大戦終了のパリ解放の日、少年がワインを2本、両腕に抱えカフェの町角からこちらに向かって歩いてくる瞬間だ。
少年の笑顔は戦争が終わった喜びに満ちている正に”希望の”「決定的瞬間」そのもの。
CMやファッション写真は時代とともに腐る、流行だけを追ってはいけない、とブレッソンの写真から学んだ。