消しゴムと鉛筆だけ?
今伊丹十三記念館 の通販で買った猫Tシャツを着て書いています。選んだのは睨み猫。母が一目みて「うわ、こわい顔の猫!!」と言ってましたがネ、私は大昔から伊丹さんの本で色々学んだ人。死に方についても友人のスタイリストと話した記憶がある。彼女は現場の近くに住んでいたので「あれは、自殺じゃない」なんて・・・言ってましたっけ。その伊丹さんの事はあらためて書くとして、さとなおさん も書いていらっしゃるコピ−ライター真木準さんの訃報に、ぼんやりしちゃいました。早いけど安心も。かねがね私もさとなおさんと同じに、鉛筆と消しゴムがあれば成り立つ職業のコピーライターを,世界で一番楽な仕事と羨ましく思ってましたから・・・
糸井さんなんか1行1千万と言われてましたからね。必要経費が最も少ない仕事だなんて,失礼にも羨ましがってました。
でもコピーを生み出す力、ってそんなに簡単じゃないのかも?と思った瞬間に居合わせたことがあります。時代をキャッチするのは偶然の確率、たまたま若かったり興味の視線の延長上にぽっかり浮かぶ言葉が受けるだけじゃない?なんて思っていた。でも昔、大御所の土屋耕一さんがデパートの新聞広告のコピーを何回も書き直させられていたのです。時代の変わり目の時でした。若くないと思いつかないコピーもあるのです。注文されていたテーマは若い夫婦を現す言葉でした。「同級生感覚・・みたいな事ですかね?」とスタイリストごときの私が呟くと、土屋さんの目がギラっと輝きました。
広告の世界は若ければ若い程勢いがある、長くは続かない職業かもしれない、と漠然とその時、思ったものです。
だから、真木さんの職業としての訃報年令はちょと早かったけど良かった、と思いたい。前線で闘う人は太く短くも似合います。