クリント・イーストウッド映画人生を語る
『硫黄島の星条旗』でピューリッツァー賞(ピューリッツァー賞 写真部門)を受賞したジョー・ローゼンタールの写真。本物は映画のタイトルに流れるだけ・・「父親たちの星条旗」はこの歴史的写真からクリント・イーストウッドが掘り起こした戦争の真実。
映画は写真から伝わる勇壮果敢な英雄モノか?と思ったら全然ちがっていたのが驚きだった。
誰も手をつけないテーマを何時も,本能的に選ぶ監督らしく,奥の深い表現になっている。あのローゼンタールの偶然のショットだけが,先行し戦争の資金集めのプロパガンダに使われていたなんて、歴史とは残酷な側面をたえず秘めてますね。
この監督の「戦争」という化物を考えるためにはアメリカ、日本双方へ目を向けなければフェアじゃないと語ってくれた点、もの凄く勉強して取り組んでくれた点に感謝しながら映画の後、ひきつづき彼のロングインタビューまで観てしまいました。
日本人なのに栗林中将が出した絵手紙の本が存在する事実さえ知らなかった私には、クリント・イーストウッドがこの本の英訳から人間栗林を掘り下げていった事も知り、硫黄島では多くの戦死者の霊がおどろくだろうから・・と何処かアイルランド?かな同じような火山地帯で撮影したエピソードから生い立ちから彼の映画人生の全てを洗いざらい。
「もし僕に師がいるとしたら、それは<運命>が師かな」だそうだ。
お父さんに幼少時より。仕事は待つだけじゃなく自分から仕事に向かって行くべきだ、・・・報酬を訊ねててはいけない!と教えられたそうだ。父親がえらい。
私の大好きな彼の監督1号「バード」は市長をやりながら撮り終えた記念すべき作品だった、と知った。
「ローハイド」のTV時代から変化しつづける彼を視つづけて、増々ファンになりました。
クリント・イーストウッドもロバート・レッドフォードも監督として色々秀作をクリエイトしていますね。イーストウッドの運命が師という言葉、潔くてとても素敵です。『硫黄島の星条旗』には私も興味を持っているのですが、残酷シーンは苦手です。やっぱり戦争をテーマとした映画なので、残酷シーンがたくさんあるのでしょうか?
ちなみに今日[バベットの晩餐会]のDVDを買ってきました。タニア・ブリクソンの物語が好きです。
コメント by Michiyo — 2008/1/14 月曜日 @ 23:37:53
Michiyoさん
これは私の感想ですが、残酷という印象はむしろ感じません。
イーストウッドも言ってましたが、「この映画は見終わってから感じて欲しい、途中ポプコーンを買いに席をたつと、もう解らなくなるから、ポプコーンが欲しい人は早めに買ってね」
もちろん血や内蔵の露出部分や色々とリアルな屍も出てきますが、そんな事以上に人間の愚か、その時代に流されて行く若者の困惑に目がゆくので良い悪い、残酷を超えた映画ですね。日米ペアで見て欲しい!という監督の精神が伝わる、日本人より日本ぽいのでびっくり
戦争は何も産まない、虚しさだけ・・・我々現代人への問いかけの映画です。死者の犠牲のもとに生きてる我々への鈍感さへの警告かな?
バベットの晩餐は私の大好きな映画です。
作者、彼女はいいですよね〜名前をアメリカへ行って変えたでしょう?
コメント by patra — 2008/1/15 火曜日 @ 2:41:48