歌舞伎座通信2号に
父方の従妹の長男が扇屋「東扇堂」の5代目として紹介されていた。うれしい。最近、同じ屋号の扇子屋さんが仲見世やネットで幅を効かせていたので、親戚としてはちょいと・・・な気分だったのだ。
家の御先祖は江戸時代,浅草で芝居茶屋を営んでいたのがルーツなので歌舞伎の扇子と縁が深いのと、小売りはしない専門店なのだが・・・何とハトコで5代目と知ったのには驚いた。
あの垢抜けた粋な、あんなに奇麗な老人を看た事が無い幼心にも印象深い、お爺さん先先代で3代目だったとは・・・
伝統は受け継がれてこそ技術も深まる訳だから、やんちゃ坊主だった彼が今当主で、その息子に扇が立派に伝承されているのが嬉しかった。
この歌舞伎座の小冊は母のパトロ−ネで何時もお小遣いやらお菓子などを送ってくださる叔母さま(母の妹)が見つけてお菓子と共に送ってくださったのだ。叔母さまは歌舞伎座のファン会員なのです。
それより何より、お菓子の包みに息子への言伝の手紙が入っていて、泣きました。いつも懸命に生きる我が息子の姿で励まされている!といった優しい文面と共に沢山な金子まで添えられてあり、私や息子には内緒で母から渡してね・・・と結ばれてありました。
「そうはいかないわね」と母が手紙をみせてくれます。有り難い事でした。
川崎に例の「アバター」を観に行き戻ってきた息子に早速その手紙を見せる。
「頂けないよ、」と固まっていましたが叔母さまも今年、目出度く90才を迎えられます。何時も何時も影になり日向になり我が家を応援してくださっています。
ありがたく頂きなさい、と声かけながら、それもこれも母を大事におもってくださる叔母さまと母の姉妹愛の延長線上の賜物なんだな〜と仲が良い姉妹の夫々の90年92年の生きて来た歳月を忍びました。
受けるばかりの我が家です。
懸命に今を生きるしか恩返しはできないのですが。「お嫁さんにあげなさい」と言ったら嬉しそうに頂いた虎屋の羊羹と一緒に3階へ。
たくさんの人の善意で支えられている息子と母、そして私。けっこう気弱になっていたこの頃でしたので又勇気が湧いてきました。