ドラマ「白州次郎」を見る
今回はなぜか錯覚をしてしまう位、このドラマへの印象が、当初(2009年2月28〜日一話2話)見た時とちがうのだ。とても良く出来ていたのに驚いた。3話も楽しみだが,なぜ春に見た時と違うのか?多分今度3話を作るまでの間に更に編集しなおしていないか?そんな印象を持つくらい全く違うドラマになっている。この印象はきっと私の精神状態が当時とでは大きく違っていたのかもしれない。骨折より退院しまだ2ヶ月足らずだった事もあるが、細部が思い出せずに謎ではあるが、訪問看護師さんと不満な感想を話あったのだけが,記憶に残っているのです。そんな事は置いても良いドラマになっているのだから喜ばしい事です。白洲夫妻の葛藤までがリアルにフィクションされていて、これは事実としての素材を得てもドラマとして大胆に創作した勇気だと思う。粘り勝ち・・・諦めなかった監督やプローデユーサーの時間をかけただけの効果があったと思う。第一印象では似合わないとおもった次郎役のキャスティングも伊勢谷友介の次郎さんと納得できます。英語だけでもとても流暢だし,スマートであるし何よりお顔がTVでははじめてなのが、かえって白洲次郎を演じるには良いのかも・・・と思った次第。「伊勢谷さんて何者?」と友人のTVディレクターに聞いてしまった程,全く隠居の知らない役者さんだったのですが,業界では有名な存在の才能だそうです。春に見た時は痩せ過ぎて頬がコケているのが嫌で演技も過剰に思えたのでブーブーと文句を言いつつ見たのでした。小さい見方でしたね。(笑)
一番ダークな部分、次郎さんが戦争に行かなかったという事実の件を,「僕の生活の一片たりともこの戦争に差し出したく無い!・・・僕の役割では無い!」と言い切る台詞と吉田茂の「自分の決断に自信を持てよ・・・」「守るべき物は絶対に護る・・・」「戦争に負けて外交に勝った例はあるんだよ」に凝縮された当時のお二人の精神性を匂わせる台詞を聞き胸がつまりました。有名な「戦争には負けても我々は奴隷では無い!」と共に今の時代にこのドラマが世に問うものの大きさまで見たような気がして。吉田茂の白洲次郎の居たあの時代の日本をもう一度取り戻したいものだと思いながら、かすかな期待を国連で演説する鳩山さんに重ねてみました。できない約束にならないためには我々国民の犠牲も大なんだが・・・軽い国から脱却できるか?