山口小夜子さん
この春以来、沢山の知り合いの訃報を入院ベッドの上でききました。みな或る意味戦友です。そして昨日は山口小夜子さん・・・70年代80年代,世界に認められた日本の美を代表するモデル、いえアーティストだった方です。
長く資生堂のモデルも努めていられたので、広告に是非!と願ってもなかなかご一緒する機会がなかった私ですが、或る時、30年代の衣装をまとった美女たちを写す企画があり、高嶺の華と知りつつ思い切って当時の敏腕マネジャーモトキさん(故人)へお電話を入れたことがありました。
化粧品やキャンペーンものを選んでいらっしゃる世界の小夜子さん!、ダメでも、どうしても小さい仕事ながらギャッツビー風衣装の美女達にドラマを織り込ませるには小夜子さん・・・そう思ったからです。
当時人気の出口モニークやキャロ小宮を押さえ、あと一息グレードアップさせるには小夜子さんが不可欠です!電話口で熱心にモトキさんに訴えると「衣装はドナタのを使うのですか?小夜子も其の時代の衣装や小物を沢山もっていますので・・」と好意的なお返事でした。その時の衣装は確かビギ=稲葉佳江さんのオーガンジーにビーズ刺繍のプレタを貸して頂く予定でしたから、そうお伝えすると「あ、稲葉さんのドレスはいいですね〜では確かにお引き受けしました。当日は一人で伺わせますので宜しく・・・」
その時のカメラマンは大変喜びました。
一度は被写体にしたい世界の美女なのですから...単独じゃないのに畏れ多いね〜と。
ナウファッションのモデル達とはライバルでは?と考えるのは我々スタッフの勘ぐりで当日しっかりと独特のメークアップを済まされてスタジオ入りした小夜子さんは非常に優しい寡黙な雰囲気でしずかに周りと溶け込んでくださいました。
素晴らしかったのは小夜子さんの動きに触発されるように他のモデルたちもそれぞれの個性を際立たせるように競ってカメラに美しいポーズで収まったことです。
オストリッチのショールや大きいファン(扇)の陰から妖艶な眼差しを投げかける小夜子さんはため息が出るほど完璧でした。
仕事が終わった翌日、モトキさんからお電話を頂きました。「たいへん気持ち良くお仕事が出来た!と申してました。イチダさんに宜しくとのことです」
どんなに感激したことでしょう、世界のトップモデル6人としてニューズウィークに選ばれる直前です。
しかし出来上がったポスターは意図が中途半端で小夜子さんには申し訳なく、借りができてしまったような辛い気持ちになったものです。
広告が飛び切り素敵に仕上がるためには、集まるスタッフが持てる以上のオーラを隅々まで細心で投球すべきなんだけど小夜子さんはその小さい仕事を少なくともご自身の輝かしい瞬間魔術で見事に努めてくれていました。
印刷技術が!レイアウトが!印画の良さを残せないとは・・・日本の広告の貧しい部分がモデルが超一流な分だけより残酷に、痛烈に印象に残り自分の能力の無さを恥じ二度とお電話出来なかったまま十数年後、モトキさんの訃報に詫び・・・そして小夜子さんの急死。
天使がまた召されて逝く・・・ご冥福を心からお祈りします。
ネットで彼女の死を知り、
その個性的な魅力が好きだった私は驚きました。
patraさんとはそんなご縁があったのですね。
違う世界を覗かせてもらいました。
でも若いですね〜・・・・
patraさんの根昆布と赤玉ねぎのレシピ参考にさせていただきました。
お時間があるとき、私のブログを覗いてみてくださいね。
コメント by sakura — 2007/8/22 水曜日 @ 5:36:12
sakuraさん
さっそく伺いました♪
おいしそうな食卓でしたね〜〜
そうめんのお皿、庭の葉っぱを使った盛り方も実に見事で
とても参考になりました。
私の根昆布と赤タマネギを作ってくださって嬉しいです。
↓
http://blogs.yahoo.co.jp/obasan1908
皆さんもぜひsakuraさんのブログ・・・アメリカでの日本食♪の
見事な献立をご紹介したいです。私の名前から飛べるかな?
コメント by patra — 2007/8/22 水曜日 @ 10:07:34