カステラの箱
病院へ見舞いに行ってくれる姉が玄関から声を張り上げて呼ぶのでヨッコラサとドアを開ける。下の鍵を外すのも大変なのだ。
「カステラの箱を持ってこい、と煩く騒ぐのだけど、一体何?、カステラって」姉が困った風に聞く、「あぁ、お爺ちゃんの金庫、小切手の入ってる箱よ」そう答えると「それを今すぐに持ってこい!と大騒ぎ、昨日は忘れちゃったのよね、なにも食べられないのにカステラの箱を持ってこいとは何事だろうってさ・・・」
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病院へ見舞いに行ってくれる姉が玄関から声を張り上げて呼ぶのでヨッコラサとドアを開ける。下の鍵を外すのも大変なのだ。
「カステラの箱を持ってこい、と煩く騒ぐのだけど、一体何?、カステラって」姉が困った風に聞く、「あぁ、お爺ちゃんの金庫、小切手の入ってる箱よ」そう答えると「それを今すぐに持ってこい!と大騒ぎ、昨日は忘れちゃったのよね、なにも食べられないのにカステラの箱を持ってこいとは何事だろうってさ・・・」
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あまりにも急な訃報の知らせが病院から姉にあり、姉から私へ。29日の夜中1:59分に遂に父は亡くなりました。
部屋を代わったその日の面会までは苦しそうでも強気に母と話をしていたのに・・・・
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海が割れるような引き潮につづき十メートルの高波・・・・リゾート地の津波の映像をみて
ほんとうに天災のおそろしさを思う。
「ヒ−ロー」の無名役のジェット・リーがモルジブで行方不明だという、あの少林寺の英雄でさえ、津波に飲み込まれたというのか、まさか・・・
朝早く、友人からも電話があり31日に出発予定だったタイ行きをどうしたものか?と相談された。もちろん即答、「たとえ無事な地域での旅行であってもこんな時にこそ東洋人の謹みと哀悼を表現してほしいけど・・」と言うと「わかった!」と電話を切った。日本人こそ人の不幸に敏感であってほしいから。
ロンドンからお客様、小さい少女の包んでくれたお土産のパッケージが愛しかった。
そして父は個室へ移動・・・たくさんの変化が起きつつ有る私のまわり。
どうして急にこんなにぐあいが悪くなってしまったのか?疑問だらけ、でも病院に於いて先生方と交渉しているのは姉の係りなので何ともしようがないかな〜、日曜日の報告を聞いてマジでちょいと暗くなった。
宿直の先生が姉と母に「今日、明日に何かあっても不思議は無い」みたいな事を言って驚かせたので今日、担当医に事実を確認すると、確かに問題が多いけれど今日、明日中と言う事はありません!との報告だった。ホ!驚かすなよ、宿直医。
昨日も味噌汁をストローで飲む時に誤飲し、ついに今日は点滴へ逆戻り、当人はピンク色の頬でよっぽど私たちよりきれい・・・と母が嘆く、「お前はもう帰って良い!」と言われたけど全く言葉を知らない人ね、ぷん。良く解釈すれば心配しないで家でゆっくりして居なさい!ってことを言ってるつもりなんだろうに、全く失礼しちゃう」と言ってました。
ほんとに何と言う親爺だ!と一緒になって怒ってあげる。
そこへこんなメールが届きました。
>私の亡くなったおじいちゃんは、明治男かつ九州男児の堅物でおばあちゃんを怒ってばっかりいましたが、
>入院中は、”頭が痛い”といって、おばあちゃんによく頭をさすってもらってました。
>おば(つまりおじいちゃんの娘)が、さすってやっても
「もうよか!ハル(おばあちゃんの名前)がよか!」といって、
>とにかくおばあちゃんにさすってもらうのが一番だったようです。
>お父様の腕をさすってもらうの、奥様、つまりPatraさんのお母様が一番気持ちよいのだと思います。
素敵な夫婦像が浮かびますね!♪
...という事は我が父はまだまだ感謝が足りず当分母を哀しませる元気が残っているってことかしらん?
ふ〜〜(溜め息)しかし昨日は一睡もできず一晩中、蝋燭を灯し祈っておったなり。(笑)
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