猫だいすき
夕べ降りて来て手渡してくれました。
「うん、これ薫子さんからpatraに!とプレゼントを言付かったんだよ」
薫子さんは有名な写真家植田正治さんのお孫さんで、氏のヨーロッパ回顧展のためにパリに滞在していらしたので息子も何度か自宅でお会いしたそうです。
去年暮れ私も楽しくお話しさせていただき素敵な出会いをさせて頂いた友人です。
「話すと長くなるんだけど、このチョコレート実は薫子さんと我々も1度、開けちゃったんだけどね、これは絶対patraさん向きだ!!と彼女の意見と一致したので預かってきたんだよ」
そういって器用に復元されたパッケージを開いてくれました。
「きゃ〜、何と猫ちゃんがチョコ色のお水を飲んでる図〜〜」
「ふしぎだよね、変わったチョコを作る人らしいよ」
これは嬉しい、実に嬉しい〜でも問題も・・絶対に食べることができないと思うなぁ、私には(笑)。
幼児時代、疎開先で買い出しに行った母の帰りを待つ間、お腹を空かせた我々姉妹に七輪とフライパンで父が作ってくれたうどん粉を溶いただけの生地を焼いてくれたのだが,何を思ってか、「これがお父さんとこれがお母さん!」と言いつつ人を形どったものに焼き上げた。
若き父の遊び心の人形パン。お母さんには丸いオッパイが二つお父さんにはチン棒が1本・・というケッタイナ代物。
姉はお母さんパンをちぎって無頓着に口に放り込んだものでした。
私は?というと、そのお父さんパンの何処も腕も足も頭もちぎる事も齧ることも出来なくてパンを握ったまま到頭、母が戻るまで下を向いて涙ぐむような3才児だったそうで父は「こいつは気むずかしいから子守りするのが面倒だっ」と母に愚痴ったそうですが・・・。
私を思い出してくれた薫子さんも,チョコ猫ちゃんのどこも齧れないタイプの感受性の人に違いない・・作った人もきっとそこを狙ってでもいたのでしょうか。お水を飲む猫の姿は生命力さえ感じます。
ようこそ私の所に来ましたね♪、大切に永久保存するつもりで写真を写してから冷凍庫に収めました。人生ってこんな些細なことにも思いでや縁が生じるのが楽しいのです。