階段リフトトラブルと、こしあん
朝,起きて来るはずの母が一向に降りて来た気配がない。2階のテラスには人影が見えたようなので何度も呼んでみるが応答が無い。昨日の夕方は食欲が無いから、と夜を一食抜いたので今朝は当然早く降りてくると思ったのにまさか?心配になって内線をすると母の声がした。ホッとすると「リフトが壊れちゃって下に降りられないのよ!」と驚く事をいう。前も肘でボタンを押してキースイッチを切ってしまっていたり、椅子が正しい位置に無かったりで動かないことがあり何度も降りる前にテストで通電作動の確認をするように注意したが,母の悪い癖で上の空の生返事。
私の退院後も何だかゾンザイな扱いで椅子の上げ下げを降りてからテスト作動し、確認してから部屋へ行く・・・という決まりごとをしていないようなので叱った。
ついこの間も椅子に座らず足台に立ったまま乗って上に行く、といった横着をし、これも万一目眩でもして落ちたら大変!と上がる時は必ず座る、アームを降ろす、と厳しく注意したところだった。
いよいよ 壊れたかな?とクマリフトさんに電話する。土曜日、休日なのにインフォメーションがきちんと故障係の電話番号を録音してあったので連絡すると休日の緊急なので料金は割高ですとの事。仕方あるまい。お願いし電話を切った。そこへ何時ものヘルパーさんがやってきたので「多分母の作動のしかたが悪いのだと思うから青いキ–ボタンがついてるか確認し、大丈夫だったら椅子の腕をきちんと降ろして下げるボタンを押してみて?」とお願いしてみる。
案の定,階段リフトは作動した。ホラ・・・やっぱり昨日降りた後、テスト作動をしなかった罰だ。慌ててクマリフトさんに断り電話を入れ緊急料金の発祥をさけると「了解、ただお宅の階段リフトは一番古い機種でもう部品の在庫がないから壊れたら直せないかもしれませんよ」と脅された。
何故日本の器械メーカーは修理の部品が品切れになる仕組みなんだろう・・・たった十年くらいで。
降りてきた母は余程お腹が空いていたとみえすぐに台所の味噌汁をよそう、ありがとうも言わない。目下私はまだ車椅子なのでこんな事では困るのでヘルパーさん立ち会いの元、もう一度正しいリフトの乗り降り、何度、教えても無理だった携帯電話の内線の仕方などを特訓しました。
「今までリフトも 大丈夫だったもの、こんな面倒なことしなくても!第一、電気は苦手なのよ」と膨れっ面をするので一喝、「あなたは私が居て何かと注意してるから、でたらめでも生きてこれたでしょうが物には基本があります。今は未だ私の足がダメなので万一の時は命に拘るのよ、電話機でも何でも壊れていないのだから覚えなさい!不真面目は赦しません!!」
亀の子のように首を小さくしテストを繰り返し2階から内線もできました。
年寄りに可哀想と思うでしょうがあれだけ口が達者なら脳だって本気になれば何でも出来るのですから・・・
ことごとく信頼を裏切ってくれる母に疲れ果て薄味焼そばを食べさせてから2階へと追いやる。おしるこやお萩の好みからして食い違う老人との日常生活はホントに疲れる。
気を紛らわそうと見落としていたほぼ日のライヴを開く・・・何週間ぶりのネットサーフィンだ!だいたいあの人はこしあんを好きだからね、こしあんの人は信用できない・・・ここを 読んだ途端に爆笑してしまった。これだから横尾忠則さん大好きです。
母もこしあんが好き、横尾流に言うと「まったく信用出来ないんだから!」とついつい言ってしまう私の暴言も真っ当に思えて、実に胃の符に落ちたのだった。