だから嫌なのよ!
何が?と母の顔をみると
「だって私が太るのは、こうやって少しづつ残すお爺ちゃんのせいだもん」
そういってお皿のおかずを口へ放り込み、ついでに私の残した素麺もたいらげました。ふふ、そうかもしれん。
戦争中も戦後もどうしたら家族にお腹いっぱい食べさせられるか?ばかり考えて暮らしていた頃の母のウエストは52センチだった。
疎開先で捨てられていたマグロの頭を貰って来た母、露端で苗を売ってイワシを手にいれた母、恥も外聞もない勇気に支えられて戦後を乗り切ったのだ。
つい忘れそうになってしまうけれど「あなた」がいなかったら意気地なしなインテリの父は戦後を生き抜けなかったろう・・
問題だらけでもこの点において何時も最大級の賛辞を贈りたい。
「ホント、何でこれっぽち残すんだろうね」
今日は広島に原爆が落ちた日。日本人がそれぞれの原点に返る日だ。