愛情の花咲く台所
パリの二人の住まいはワンルームで台所といったら
小人さん用?と見まがう身動きできないくらいの極小スペースらしい。3年前から日々工夫に工夫を重ねて、赤いカッティングシートから始まって赤い鍋、蚤の市で見つけた飾り用銅のお鍋と順々に手直しして、ついにキャビネットにタイルを貼る所まで漕ぎ着けた努力は敢闘賞物・・・なにしろ1930年代の建物なんだから一々がサイズなど簡単では無いと聞く。
それが、どうだろう!どんな逆境においても行動する事のみが喜びに繋がるのだ!、贅沢ばかり言う世間の娘さんたちに見せてあげたい、たった半坪の台所、見事に「妻の城」になってきました。この気持ちが大事よね。
息子の雇い主、ヤンの弟さんが住んでいた頃は多分、お湯しか湧かさなかった場所だろう。偉いよ、偉いね〜フミちゃんはお嫁さんの鏡だっ!。貧乏を支える内助、これは我が家の嬉しくない伝統かもしれないけどネ。
私の祖母おなおさんも私も、もちろん整理下手な母も近代的でモダンで広々とした台所にはトンと縁がなかった。ご先祖の意志が人生を決める・・・としたら何だかすまない、が、それなりにファイトのようなものがこんこんと湧きあがるのが似ている。30年前に暗い昭和のままの規模の台所に立った時、私も武者震いしながら頑張ったものだけど。
しかも美味しそうなポアロ葱のマリネといい、料理の腕も挙がったみたい・・・
しかし良いお嫁さん・・介護の腕はプロだし。もう何も心配はしません。
「誉めてあげなさいね」と息子にメールしたら
「すごく明るいキッチンになり驚きました!」おおうっとり♪。
私のようにせっかち且ついいかげんじゃない彫刻科出身のお嫁さんはプロ級のタイル職人でした、感涙。