パッセジィアータ!
深夜「イタリア式町の愛しかた」というNHKの番組で、とても珍しいコンビ経団連の奥田会長と建築家 安藤忠雄さんがイタリアの街を散策する番組を見ました。
祖先にイタリア女の血が流れていまいか?と勘違いするくらいイタリア気質たっぷりな私は
今回のお二人が歩くロ−マやフィレンツエ、ヴェニスの商店街や路地裏、家族経営の農園レストランに魅了されました。
ローマでは外壁は勿論、室内の模様替えも厳しく規制され自由にさせない事で昔の街並と美しさの調和を国をあげて保時しています。
古いままの石の壁や歩道の石畳は、ちょっとみは陰気ですが、そちこちに置かれたテラコッタの鉢には溢れるように緑やゼラニウムの花々が置かれ、車の侵入は規制され人々は自由に石段に座り街を身体全体で楽しんでいます。規制すべき古き遺産と謳歌するべき自由な部分のバランスが絶妙な味で人間生活を豊かにしているようです。
町が在って人が居る!よりも人が居て町が生きる・・・そんな感じのレポ。
ヴェニスはもちろんの事、そこから近いある街は夕方5時から8時まで一切の車両が乗り入れ禁止になります。
「パッセジアータ」という街ぐるみのお散歩タイムが始るのだそうで、三々五々どこからともなく御夫婦、友人、家族連れなどが夕食の前の一時を連だって、ただゾロゾロとお散歩する習慣だそうです。なんだか素敵なんです。友人に出会ったり恋がめばえたり・・・
そのイタリアを奥田会長と安藤忠雄さんが街作りの参考とすべくお歩きになる様子が面白いのですが、小さい街を魅力的にするのは奥田会長は「個人個人の意識の高さ、市民同志の連帯感が大事だ」とお感じになったらしい。
安藤さんも建築家らしい見地から火事で全焼したオペラ座の復元を新しい市長が公約の1番に挙げたこと・・・などを紹介しながら街作りが市民の側にたったプラン!と激賞してました。
安藤さんは「個人があって地域が在って、意識が,町が,人が,それぞれにプライドを持つことこそが大事なんだ!」と話してましたが確かに!言えます。
プライドある個性を町づくりに反映するためには美意識の統一の規制と弛むべき所は広場の解放など官民両サイドの絶対的協力が必要だと思うのだが、ニットで世界的に有名なべネトンの会長のように、1個人が自分の村への愛着と貢献をプライドとして推進している姿から「文化度の深さ」を感じ、羨ましかったのだが京都や地方都市は一部巧くいっていると思う。
問題は東京の住宅地でもない中途半端な地域だろう。お花見一つとっても車の侵入を禁止することはまずもって無理だ。縁日が消え人も消えた。
我が家の前の3メータ以下の道路に車が通るようになって久しい。
東京からは散歩する路地さえ消えた。
ゴミの収拾日に掃き浄めるのは老人だけ。
近くのマンション、病院、会社から人材が協力して出てくれたことはまず無い。
企業が率先し社内に呼び掛けてくれなければ住民との連帯など焼け石に水である。まばらな住人ではせいぜい通行人の落としたゴミを掃くくらい、美しい町つくりなんてどうにもならない。
新人の若い区会議院に意見を託したくても落選するし。
企業組織の自覚、ホントは「人こそが主役」此のことを経団連の奥田会長は、「イタリア式町の愛しかた」を見る限り、ほんの少し気づいてくれたようだった。