潜水服は蝶の夢を見る
フランスのファッション雑誌EllEの編集長だった人ジャン・ドミニク・ボービーが幸福人生の絶頂で突然、脳梗塞になり全ての機能が失われ、たった一つ動く左目のまぶたと考える力で「潜水服は蝶の夢を見る」という題名の自伝を書き残したそうです。2008年に映画にもなりました。
丁度その頃、私は骨折入院の繰り返しで全く知らずに、つい最近になって息子からこの話を聞きました。
作者が2万語の単語を頭の中だけで組み立て文章を一度も直さず文字を瞼で選び、本にした話をしてくれたのです。
書く前にしっかりと組み立てなさい!という示唆を込めてのアドバイスとして教えてくれました。
脳の大量出血で運動を伝達する全ての機能が麻痺した病名はLocked-in Syndorome(閉じ込め症候群)というのだそうです。
まるで重い潜水服に肉体が閉じ込められた感じからのタイトルが「潜水服は蝶の夢を見る」に表現されているのです。
誰にでも起こり得る障害です。
殆どの人は自分が健常者な場合は特に、将来的に不自由な身になるとは考えてもいません。
自分だけは運が良いと元気な人ほど油断しがちです。
殆どの人は老衰で亡くなりますから・・・・ね。
しかしその頃にやっと気がつくのです。
寝たきりになり自由のきかない身を他者に委ねながら誰でも平等に末期を迎える事になる事実を。
幸いな事に記憶力も薄れてしまっているのが救いですから懺悔もしないままw
早いか遅いか、だけの平等な経験値だと考えます。自分だけは大丈夫と考えるより、心の準備も必要でしょう、
せめてハンデキャップの人を見かけたら「何かお手伝いできますか?」位のお声かけは日常の習慣としておきましょう。
山本太郎さんが重度の障害者お二人を選挙候補に指名なさって、巷のスズメ達は賛否両論ですが、太郎さんに運命を託したお二人の決意こそ、もっと評価されるべきだと考えました。
重いお体で人前に出る行動力は並大抵ではありません。それでも訴える道を選んだ決意に焦点を当てて頂きたいのです。
「質疑応答も無理だろう、」「どうせ潰されるぞ!」「人気取りだ、」との野次馬は止めて、若い人への負担を減らす意味でも介護や福祉を更にテコ入れすべきチャンスなのです。
全介護は驚くほど人員もお金もかかります。
貧しい人でも平等に権利を受けるために尽くしたい、という彼等のお気持ちは本来ならば健常な政治家から発想して欲しかった問題です。
自分には知識が無いからと正直に答え、彼等を比例区の特別枠推薦に踏み切った山本太郎さんこそ時代を見つめる勇者です。
彼等を当選させるのは我々国民の責任です。
不可能を可能にする時代にもう来ているはずです。
文字盤を瞬きで一言一句選び、2万語を組み立てる努力に匹敵する、あるいは遥かに困難な快挙、<重度障害者が政治に参加>という決意、現場に当事者を送り込む時代がやっと来ました。
ご自分が健康であるとご自覚ならば、感謝を込めて350万票、1千万票への応援達成を目指していきたい。
新しい風が日本に吹くのを願ってやみません。