粗相をしなかったのに
妹クララが心配そうに覗き込むベッドは新生児用の布ベッドです。
チップがオムツを敷いて眠っています。
チップは病気になっていた。しかも重い貧血、猫に多い『自己免疫性溶血性貧血』という病だった。往診の先生が採血してくださった結果、診断は先生の予想より遥かに重い貧血で目の裏も真っ白。今迄トイレに歩け、ベッドによじ登れたのが不思議な程の数値だそうだ。全く気がつかないのも飼い主として相当な間抜けであったが痩せた?と気がついてから2週間足らずの昨日,初めてベッドで粗相をした。これはやっぱりおかしい・・・と運良く近くの獣医先生に往診していただいて分ったのだ。インターフェロンと数種の注射をして頂く。他に飲み薬と栄養ゼリー。これが上手に飲ませられない。
牙が怖く上あごに擦りつけなさい!といわれても吐きちらされてしまう。
噛み付かれると困るので洗濯ネットに入れ、紙のオムツを敷いた赤ちゃん用ベッドを急遽、購入し、これなら把手が付いているので下げられる。
何とかベッドに載せて置けるだろう・・・
私自身が腕の力が無いので抱き上げたりできない苦肉の策である。
洗濯ネットに入れると猫ちゃんは安心しますよ!との先生のアドヴァイスであるが成る程・・・時々ネットのチャックを開けお水をのませます。
そんなチップを心配そうに覗き込むクララです。ぴったり寄り添って生きて来た二匹です。
秋頃、クララが尋常ならず啼くので、トイレ、餌、お水をチェックしても啼きやまずに一体どうしたのか?訳がわからなかった。
今思うと,鈍感な私に兄チップの異常を懸命にないて知らせていたのでは無いか?
人生を猫ちゃんと共にに暮らしてきたのに何とも迂闊・・・
懸命に伴奏して歩んでくれていたのに
申し訳ない気持ちでいっぱいだった。朝、微かな息を確かめる。祈るしかできない。