「むすび」産霊
【むすび】
いかに死すべきかということは唯(ただ)、
死を願う消極的な心ではない。
いうまでもなく、ある偉大な感激の対象を求めて、
それに向かって没我的になって行く。
己(おの)れを忘れ、あるいは己れを抛(なげう)つべき
ある偉大なる感激の対象を得る生活であります。
我々が喜んで、勇んで、己れを空(むな)しうし、
己れを忘れて没入して行くような、
そういう感激の対象を得ることを、
大和(やまと)言葉では「むすび」(産霊)という。
日本精神を最も活き活きとつかむため、
日本精神の真骨頭を把握するためには、
この「むすび」ということを知ることが、
根本の問題であります。