2010/11/21 日曜日

青空と紅葉と母

Filed under: 家族,時代 — patra @ 0:03:06

IMG_1484IMG_1464IMG_1486IMG_1466母は末期癌です。他に心臓も悪く、腎臓の働きもにぶくなっています。お小水の出が悪いのですが、食べたい!と言うものがタラコだったり筋子なので退院後の自宅では塩のきついものを食べるせいでしょう。お小水の出も良く、顔にツヤも戻って来て喜んだのも束の間、今は胸に痛み止めを貼って眠っています。
塩も水分も心臓には悪いのですが、最早治療の術がないので医者は「好きに、欲しがるものをあげてください」と先日,胸に貼るパッチ型の痛み止めを置いて行ってくれました。
そして遂に土曜日は訪問看護もお休みなので、足の裏の脹ら脛と胸の肋骨部分を痛がるので使いました。
が、1時間たっても効きません。
電話で看護師さんに尋ねますと痛み止めのロキソニンを飲ませなさいとの事。朝も飲んで未だ昼の1時過ぎ・・・躊躇するが、痛がるのは床ずれだと思うけれど,思い切って飲ませました。
家で末期癌を見るのは、車椅子の私には無理!と散々言われて来ましたが、私の考えでは極力家族の側が老人には良いと思うのでバリアフリーのマンションに越し、母を極力看る決心をしました。

「こんな素晴らしい家をありがとう」と母は何度も言います。
「こんな所で介護して貰える私はしあわせだ・・・」とも。

退院した時は、介護プランが遅れ,母の腰や足への体重負担がジュクソウになるのは分っているのに
エアマットの設置が遅れました。可哀想な事をしました。
医療に精通してる私でさえ、見落として抜かりましたが寝たきり老人にエアマットは必須です。

一般の老人は一体どうなっているのでしょう。入院中に見聞きした老人は静な人ほど放置されます。無知な家族も手遅れになり後手後手になります。

母はカテーテルの侭退院させて頂きましたが、尿パックが細菌で汚染され、取り替える度に酷い匂いが・・・幾ら何でも清潔とは言えませんでした。
看護師さんは慣れているのか「紫色に変色してるのは汚染されてる証拠です」と言うだけです。トンでも無いことです。
保健範囲を超えても袋くらい200円です、頻繁に替えて欲しいと!と断固要求し、毎日身体を清拭し二日程で見違えるように奇麗で清潔になり匂いも全くしなくなりました。
粉をふいた様なグレイなお顔も
朝早くから来て熱い蒸しタオルで清めてくださるヘルパーさんと私でクリームを塗りツヤツヤにしました。
昨日はベッドの侭、洗髪もして頂けました。全て医療保険ですから入院と同じ、違うのは肉親の眼でチェック出来る事です。
沢山の看護師さんの居る病院で2ヶ月で廃人になって汚れて戻った母を哀しい思いで眺めました。日本の老人医療は何なのでしょう。

ジュクソウになりかけた腰と脚の消毒と薬塗りに週5日,看護師さんが入り、週二日浣腸をして頂きます。
今日は土曜・・・看護師さんはお休みです。
何事も無いと良いのにと思っていたら19という数字は痛みで亡くなった人の怨念の数字です。ヘルパーさんがお帰りになった後、とうとう麻薬のパッチを貼るはめに・・・もうこれを使い出したら終わりです。
エアマットに代えた時は大感謝されました。その喜び様ったら・・・この良さを「世界の人に知らせたい!」とまで言って感激してましたが・・・

明るい青空、見事な紅葉、でも私の使命は未だ未だこれから
ゆっくりと友人と語り合うチャンスも無いまま、とにかく母を安心させる為に全ての時間を使っています。

其れ以外は何処に眼をやっても気持ちの良い空間が広がっているので光の裏側に潜む暗部も受け入れられるのでしょう。


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