終わりを佳くすること
問題解決にむかってさいごまで漕ぎ着けるのが一番大切なのだが
あまりにも長い時間が罹ると,時として途中が中だるみになる。
困難な状況の時こそ、と気持ちを引き締めようとするのだが、これも一人ではない
相手がある世間との関わりの中で,慣れが生じてくるとおかし易い間違いに
連絡不行き届きがある。
ほんの一言、ほんの一手間、を省くだけでギスギスするのが人間関係だが
皆,自分時計だけ考えて生きているから生じる間違いなのでしょう。
自分時計を最後まで動かしつづけるのも終わりを佳く収めることを目的に相手時計に繋げていくのが
人には最も大切な時間の使い方だと思う。
【終りを全うする】
宇宙が永遠であるように、
人生も永遠でなければならん。
永遠であるということは、
その途中を受け継いでゆく人が
よく終りを全(まっと)うしてゆく
ということであります。
終りを全うしなければ、
次の者は始めることができません。
従って終りを全うするということは、
どこまでも続けてゆくということであり、
よく永遠であるということに外ならない。
『安岡正篤 一日一言』より
(致知出版社刊)