運命のライバル,玲瓏と無心
子供の頃,小学6年生の私はクラスから浮いていた。友達も少ない少女だった。それは4年生で転校生し5年生の時,足の手術で半年,学校を休めば無理も無い。しかも相当にませていたので,その頃の理想の人が棋士だった。そんな小学生はどこにもいない。忘れていたそんな事を昨日のプロフェッショナルで棋士同士,幼い頃よりライバルだった羽生と森谷の名人戦を見ていて思い出す。そう、孤独な闘いをつづけながら成長してゆく男が理想だったのだ。ジっと陰で息ひそめて支え美味しい物を作って待つ古風な女性。思い切り見た目とちがう私(笑)
天才の名を欲しいままにしていた羽生を破った同期の森谷が無心の精進ならば、無冠になっても諦めずに精進した羽生を支えた言葉は玲瓏。どちらも凄い。このおそろしいほどの孤独な闘いをする男達が魅せられる将棋の世界とは尋常ならぬ精神性の世界なのだ。森谷に破れ1度は挫折した羽生の言葉「メンタルな部分は年令をかさねる程つよく育つ」に頷く。うらはらに勝機を察知した瞬間に手がふるえる羽生をみるにつけ、総て飲み込んで耐え、研鑽しつくして来た時間を,長き執念を思うと感動する。破れた森谷の無心もさらに続くだろう。良きライバルが居る時代に生きる大切さを見ました。
一方,幼いながらの理想像を把握していたマセ子な私は、つまり.精神性をどんな逆境においても1番に位置づけて鍛錬しつづける人物が好きだったのだ。