2007/9/1 土曜日

捨てない・・・

Filed under: 家族,日々雑感 — patra @ 10:40:02

茄子と胡瓜茄子

母の頑張って混ぜてくれていた糠味噌は茄子を色良く漬けてくれています。健気な心意気を持って、娘の留守を守っていた老人の6ヶ月の歴史。

…捨てない。

説明不足のまま途切れてしまっていたのは実は,入院先で母が心臓は問題が無いと解って安心していたのに、次の日膝が痛くて立ち上がることも出来なくなったと知らせがあって少なからずショックを受けていたからです。

病院という所の仕組みは急性期の問題が解決すれば長く入院してる事は出来ないのが政府の方針、母の場合もその例に漏れません。
ところが急激な膝の激痛は、彼女の昔受けた人工股関節の術後に細菌が付着した後遺症が進んでいる・・・ということです。

手術を受けた病院はもう閉鎖されています。それほど院内感染が酷かった所でした。
その体液の滲出物が体内にもまわり,全身的むくみが始まっているのです。
「どうしようも無い」というのが医者側の意見でした。
その無礼な対応に酷く心が落ち込み、書くことを続けられなかったのです。

「感染症が起こる、という事実を医学界が解れば、お役にたつと思うから・・・」
健気に気丈に頑張っていた母は犠牲者です。
消毒するだけ・・が死まで続くのです。「しょうがないでしょう!他に方法が無いのだから。過去の事を言っても始まらないし東大は責任とりませんよ。これからどうするか?でしょ!?この病院ではもう長く置いておけない、これは政府の方針なんだから我々は悪くないです。自宅で介護し毎日消毒すれば済むのに、あんたが出来ないんじゃ老人病院へ入れるしかないでしょう!お金があれば済むのに無いんでしょ!」若い担当医はぶっきらぼうに電話口で文句あっか!?というように吠えました。

私は電話を切りました。
どんな最高学府の教育を受けているかは知らないが、医師としての知識はあっても,人としての知性のかけらもないTakeuchi医師に語る言葉を失ったからです。

希望は捨てない・・・そうして日常をつましく生きてきた老人の努力が、こうして又一つ・・・小さなほころびはやがて大きい破れにつながるのです。

ベッドにたった2週間寝てるだけでも老人の膝は動かなくなるものです。破れはいつも人から始まる!ということを知ってほしい。

そして私は,母を老人病院へは捨てたくない。


  1.  「習慣」なのかも知れませんが、子を思う親の気持ちというのは、いつまでも、いつまでも、在り続けるものなのでしょうね。

     今は、男親しかいませんが、彼が、何をどう思っているのか・・・。
     
     御母堂がいらっしゃること、とてもうらやましく思います。

    コメント by 酔仙亭 — 2007/9/1 土曜日 @ 17:36:35

  2. 酔仙亭さま
    いくつになっても親は親なんですね、恩恵をうけています。
    途中で文章が途切れてしまっていましたのにコメント有り難かったです。

    お父上は男親ですから何も仰らないことが子に対しての、とくに男の子に対しての節度と考えていらっしゃるのでは・・・立派な親心だと存じます。

    長生きしてくれるる母が困難に遭うことなく無事に・・と願うばかりですが娘として非力も感じ忸怩たる想いもあります。が希望は捨てない!
    前向きにがんばるつもりでおります。
    お返事が今頃になってしつれいしました。

    コメント by patra — 2007/9/2 日曜日 @ 0:26:43

  3. 何たる医師の対応でしょう!言葉がありません・・・

    親がいつまでも長生きしてくれるのが、
    子供にとっていちばんですよね・・・
    patraさん、前向きに、前向きに・・・
    言葉しかかけられないのが、悲しいです・・・

    コメント by sakura — 2007/9/2 日曜日 @ 22:29:07

  4. 一昔前、そう明治とは言わないけれど職業人が自らを律して遣う言葉遣いがあったように思います。
    年上の人に対してはたとえ他人でもある節度をもって若輩は接しましたよね〜
    日本語を正しく戻さないと最早、会話は成り立たないし、尊敬も,コミニュケーションも若い医師との間には成立しなくなります。

    肺炎の蔓延する老人病院が恐いのであって、自宅でケアも視野に入れ時間をかけて選択してゆきます。

    前の病院でも無理矢理転院させられる老人患者が・・実に多かったです。
    医療問題の闇を実感しました。

    コメント by ぱとら — 2007/9/2 日曜日 @ 23:25:14

  5.  patraさま

    長く健気に頑張られたお母様です。
    ・・・捨てない。
    その言葉の意味が じんじんと 響きます。

    理不尽な扱いや 後手の処置に 怒りが込み上げ 爆発しようにも
    人質のように取られていた母を思えばできない事が
    母の入院先の病院や 老人施設で たくさん ありました。

    期限付きの入院 多くの老人たちが 盥回しのようにされ病院を転々としています。家族がいても引き取り手がいない人々。みんな 泣きの涙でした。
    必死で生きてきた世代の方々だけに なぜこんな仕打ちと想うばかりです。
    しょうがないでしょう という言葉を切り札にして欲しくないですよね。

    希望を捨てないで・・・ええ そうですとも!
    母上さまにとっても patraさまにとっても 
    良い方向での選択が きっとおできになれますように。

    コメント by 野の花 — 2007/9/4 火曜日 @ 18:29:38

  6. 野の花さん
    同じくお母様を怪我で入院させた経験がおありですよね〜
    病院で、施設で納得できない事も,お世話になってると口には出せず家族は我慢するしか無いので,いつまでも「仕方ないでしょ!」が改善されないのでしょう。
    ストレスが溜まりますね。
    私への先生の正直すぎる暴言はストレスのはけ口だったのでしょうか?
    母には優しい先生だそうで・・・へ!?そうなんだ!!と驚きました。(笑)
    お金持ちだけが老人病院へ行かせられるから親孝行だ!!!・・・と言う図式だけでは括れませんよね。入院させたらお役、御免とばかり忘れ去られる老人も多いと聞きます。私は病院へ行けないので、誤解されやすいしタイプです・・・・。
    やさしいコメント、ありがとうございます。

    コメント by patra — 2007/9/5 水曜日 @ 0:49:32

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