大仏に挑む平成の仏師
大仏に挑む平成の仏師 技と心松本明慶仏師を見ることが出来ました。私の手元へ縁あって届いた香合仏、勢至菩薩さまを彫っていただいた仏師安田明玄氏の先生なので、心待ちして拝見、とても良い表情の方だった。
安田氏が弟子入りされた頃の年齢は詳しく存知あげませんが明慶師に出会ったのは何と13才、と伺い明慶師の亡くなった弟さんと年齢が重なるので、きっと仏のご縁だったのだろうな!と想像しておりました。
大きな仏像を1本の木から,一体どうやって彫りあげるのか?の予てよりの疑問が画面を見ていて良くわかりました。
小さく5センチ角に切った木材を枡目に線を入れ張り合わせてから、仏像の頭部を彫りあげ、その頭部を熱い湯で煮て膠(接着剤)を溶かし1度バラバラにしてから、現れ出てくる5センチ角のパーツ状の枡目を元に原型を2度3度と大きく作り直して巨大な仏像にしてゆく行程を、手、足、胴体、様々なパーツに繰り返し行う忍耐作業と知り、成る程な〜と、その根気に感服をしました。とても一人で出来る技では無い。沢山のお弟子さん達の協力があってこその大仕事なのだと感じ入る。
4年の歳月をかけて,無事不動明王を創り完成されたのは今年4月だが、ご住職に要請されてからは実に40年もの歳月が経っているのだそうです。
依頼した寺院側のひたすら待つ姿勢も、一方研究する時間を充分に取った仏師側にも歴史に「残す」という正しい仏像の概念を理解し信頼しあう縁(祈り)があってこその、40年間もの時間が必要だったのだ!実にすばらしき長き持続の阿吽ではなかったか、と感激でした。
明慶師が常に拝観なされる六波羅密寺にある 運慶の地蔵菩薩が画面に出て参りましたが、凄かった。一筋の目が運慶の凄まじいまでの情念で彫られているのだと解るからであります。明慶師曰く、<表情が対面する毎に変化するのだ>とのことです。
見る側の今の気持ちを写すような表情に・・・時に厳しく時に慈愛深く、なるほどそう思わせるようなお顔に彫るのが仏師の祈りなのですね。
思わず手をあわせたくなるような仏像を彫りあげる!並み大抵の技術だけではいかないお修行だろう事を1番良く知ってらっしゃるのが仏師さん達だろう。
単にご本人の心構えに因るのだから・・。
堅い白檀を彫られている時の表情は厳しいと言うよりもむしろ穏やかでした。仏、来い・・と心の中で呟いていなさるせいでしょうか。
本日の夜中26日から再放送が有ります。
みました!
中にいる仏様をほりおこすように・・・。
すばらしい世界でした。
人の手によってあのように全てに深いものが出来上がるなんて。
何もかもが「一目でそこにある」。
感動して、嬉しくて、誇らしい気持ちでした。
もう一度見たい。
コメント by みさちん — 2006/9/27 水曜日 @ 18:59:03
見れましたか〜〜♪
木の中に仏さん、楠のここら辺に座っていなさる・・・すてきでしたよね。
もう一つ、感動したお話に、仏像彩色師の女性のお弟子さんが独立を明慶さんに願い出た時の、氏の出された独立の条件は一つ「弟子を採ること、じゃないと我がままになり、自分に甘えが生じ朝、起きられないなど規則正しい生活ができなくなるから・・」だったそうで
修行は延々と続く事を示唆なさってます。
もう耳が痛かったです。
それだけ伺っただけで私は落第・・・ため息の連続でした。厳しい世界、技術ももちろん大切ですが精神を疎かにしては仏さん、現れてはいただけませんよね。
コメント by patra — 2006/9/27 水曜日 @ 20:38:17
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