2006/1/20 金曜日

羊、皮を脱ぐ

Filed under: エッセイ,家族 — patra @ 8:05:13

さて法事の帰りに寄るかと思った姉も疲れたらしく来なかったので一先ず母の髪型で文句を言われる事もなく無事だった。
ま、年寄りと暮らすとは端で見るより大変な事が良く起きるのですが、家でも昨日ちょいっと一悶着がありました。

月初めと中日は台所の大掃除と決めていますが今月は少し遅れてしまいました。ダスキンの掃除を雇える身分じゃないし小さい台所は徹底して掃除しないとすぐ汚れが目立ちます。

鍋から何からバリバリと洗って古い乾物を捨てるために缶や引き出し棚を整理しヒョイと玄米を入れてあるキャニスターを開けたら何か非常に匂う・・・
白米と玄米の2合袋、それしか入れてないホウロ缶に何故かビニールに入った怪しいものが・・何これ!?。

もう1月も半ば、何でこんな腐敗臭がするのだろう?と良く見たらクリスマスの時の鶏の骨がラップにきっちり包まれて隠してありました。そりゃ〜匂うよね。

犯人はもちろん母です。「スープにしよう」そういってましたが4本ばかりの骨では出しは出ないので私とフミちゃんが速効で捨てた筈です。

それをこっそり拾ってお米のキャニスターに隠しそのまんま忘れたのでしょう。彼女にしては頭が良いのはお米を洗うのは母の係りなのでそこに隠したまでは上出来。(笑)だが母は何でもとって置く癖に利用する事など絶対に無く忘れ去る名人なのが問題なのです。潔癖性の私は何もかも捨てたがる。
今まで百回も繰り返された闘いです。
私が捨てたもので困った事は先ず無く・・母の仕舞って置く諸々やビニールや紐や瓶類で引き出しはいつも閉まりません。
この種の闘いが繰り返される度に娘の性格は徐々に壊れるのです・・御用心。

叱り飛ばす私を姉が叱りますが、一緒に30年暮らしてみなさいって・・きっと姉の方がもっと怖い存在となるはずです。
軽井沢、たった3日一緒に過ごしただけで毎日叱られてた!・・そう母が言ってましたもの。

しかし母はホントの所、性格が良いのか悪いのかも凄く怪しい・・なぜなら「捨てろ、捨てろ」と厳しく言ったら一昨年、万一病気で美容院へ行けない時用に!と買ってあげたウイッグ(白髪用)をいの一番に捨てた人だ。
「似合わない」の一言で!!。
私の怒りは言葉を発するは疎か涙も出ずに萎えてしまったのだが、あれがあれば前髪を利用して帽子から出して今度も素敵にアレンジしてあげられたものを。
私とだけは犬猿の仲なのですが原因の全てが「捨てる捨てない」につきるのが笑えます。

「老いては子に従え・・・」

老人の正しい在り方、胆に銘じて覚えておかないと私も若い人を困らせるようになったら一大事。

人間は進歩しない存在と証明してしまう事になるから此処に明記しておこう。


  1. 「羊、皮を脱ぐ」というタイトルの意味が分からない?
    しばらくたって気が付いた・・・狼になったのか!?・・・(^_^;)

    きっと親と一緒に暮らしている人達は、みんなストレスを溜め込んでゆくのだろう。
    僕は、「教えない・叱らない」、「文句を言わない」、「愚痴を言わない」などと思っていたら、何も言えなくなってしまいました。(笑)

    「老いては子に従え」というのは、正しいことなのでしょう。
    でもだからこそ、みんな守れないのかもしれません。
    ある日、自分の親を従わせないといけないのかな?と考えたとき・・・
    もう子どもじゃいられないんだなぁと想ったものです。

    コメント by 変人です(^▽^) — 2006/1/20 金曜日 @ 18:32:39

  2. 大好きだった亡祖母のことを思い出してしまいました(大正5年生)。
    祖母が生きていたらきっと同じことをしているに違いないと。

    私の記憶に残る家庭料理は祖母のオリジナル料理が多いのですが、
    わけても私が好きだったのは、鶏の皮、豆腐、玉葱が入ったスープ。
    もちろん出汁はわずかな鶏の皮で、味付けは塩と化学調味料、お醤油ひとたらし、だったと記憶します。

    祖母が亡くなった直後、茶箪笥からきれいにたたんだ包装紙、掛け紐、お中元やお歳暮の掛け紙がどっさり出てきて家族でびっくりしました。
    そういえば、掛け紙にアイロンをあてていた姿が…
    私も包装紙はテープをきっちりはがし畳んでとっておく習性がつき、引出の底に敷いたりしているのを友人に笑われたことがありました。
    でも今や、包装紙が家に到来する機会すら激減したような気がします。

    コメント by とど — 2006/1/20 金曜日 @ 20:46:49

  3. そうです変人さん
    どちらも狼になる瞬間があるというお話です。
    親を従わせるなんて大それた事、若い時は思いもしませんでしたが・・(汗)。

    或日突然目の前の親が無知で幼児のように想え胸が痛くなる瞬間がやって来ます。

    黙っていると危険なこともあるのでそんな時はキッパリと注意するのも愛情だと想ってましたが見ない振りしてあげる事もモチロン大切です。

    幼児のように保護するだけで済まないのは過去の記憶という財産に裏打ちされた自信が邪魔するのでしょう(笑)
    「ひぇ〜何でこんな所に入れて置いたんだろう」と笑っている内はまだ健全ですので忍耐を心掛けて見守るつもりでいます。

    コメント by patra — 2006/1/21 土曜日 @ 2:33:52

  4. >薫子さん
    植田さんのモデル、あのたおやかな美しいお祖母様は家の母の二つ年上でいらっしゃるのですね!
    戦後を生きてらした世代の主婦は皆さんモノを大切になさいます。その精神は実に立派です。

    母がスープにしたい!と言った時に「そうしましょう」と私が翌日の味噌汁用に玉葱と一緒に煮出してあげれば立派な次世代教育になったかもしれないなぁ?〜
    今、そうおもいました。

    残念な事はわが母は包装紙や掛け紙にアイロンを当てるような優雅なモノの仕舞方ではなく、ひたすら突っ込むので裏側に落ちた紙類、ビニール、紐で引き出しが開かない、閉まらないの繰り返しなんですよ(笑)。

    薫子さんはお祖母様の几帳面な良い部分を沢山うけつがれたようでそれは素晴らしい事だとおもいます。

    コメント by patra — 2006/1/21 土曜日 @ 3:10:18

RSS feed for comments on this post.

© 1999 - 2024 Patra Ichida, All Rights Reserved.