風はどこへ
しかし、今どきクーラーのない台所で仕事をする主婦っているのかなぁ?甚だ疑問だ。
輻射熱のないIHヒータだからまだ我慢できるけど料理する気が少しも起きませぬ。
が、ここより息子達の暮らす3階はトタン屋根の冷房なし、恐ろしや。
留守番の時、水やりに行くたびにムワッと襲う熱波に
「帰るまでに付けてあげたいな」と思っていながら躊躇したのは余計な事を!と叱られるのが嫌だった事もあるけど・・
案の定、しっかり者のフミちゃんは本格的に日本へ戻るまでは「勿体無い!」と申します。
おぉ、やはりそうか。
窓を開ければ風は入らなくとも借景の緑が目に飛び込むから少しは良いかしら?と聞くと
「ええ、ゴキブリも飛んできますけど」に再びぎくっ。
ヘルパーさんに特大ゴキジェットを買ってきてもらい手渡す。
もはや何一つ母心は要らないまでに成長した二人だが黙って何かしでかすと必ず余計なので注意が姑の心得なり。
クーラーどころか網戸もない家の健気なお嫁さんが切ない。
ひと昔前は風が吹き抜ける自慢の家だったのに。
せめても!とばかりパイン材の古い田舎家具でバーを飾りパリ風を気取ってご機嫌を伺う姑息な手段も見抜かれた。
「持ち運べない家具が増えてもねぇ」と息子がボソっ。
いやはや・・・
もしや二人ともあのままフランスで暮らすつもりかいな?
それも一向に構わない。じゃ思いで作りの夏にしないとね。
「花火大会とかしない?」と聞いても返事なし・・・
何か食べ物のリクエストはない?営業は?と水を向けても
「うん、うん」と生返事。
「大変な事はよそうよ」とあっさり却下。
「?」
さては、見抜かれたか!この夏の嫌々家事労働の私をば。
しかし、まじでバテています。
うんじゃ、さぼるか。暫くは滞在する二人だし暑いしね。