もう一つの、であい
基本的にはMacユーザーばかりの我が家が何故、マイクロソフトの古川享さんを応援しているのか!?と不思議に思われるかもしれないので若干の説明をさせていただくと、これは天恵としか思えないインターネットの奇蹟的な出会いを氏より、いただいているからなのです。
1999年まで話は遡るのですが、誕生日にマックを息子からプレゼントされまだ空っぽなサイトを埋めるべく毎日ネット三昧を楽しんでいました。その頃、ほぼ日糸井新聞を読むのが毎日の習慣で、あちこち見ては投書メールで遊び暮らす日々。そんなある日『マイクロソフトの古川会長がやってきた』という連載対談が始まったのです。
まだインターネットを始めたばかりの私ですが飛びつくように糸井さんと古川さんの対談を読み始めました。実に面白い。マイクロソフトという巨大企業のトップでありながら意外にも全くステレオタイプには納まらない企業家としての古川さんの、時代の空気が動くような臨場感溢れる会話に胸はずませて読みました。一方で専門的な部分は初心者である私の理解を阻みましたが、連載6回目に突然飛び込んで来た筋ジストロフィーの少年達とコンピュータの交流に話が及び、私はびっくりすると同時に胸が躍りました。
段取りや垣根も飛び越して障害の青年たちと真剣に語り合う企業家の姿が、そこに語られていたからです。
病気の種類は違うけれど、息子も障害者,PCを仕事の道具にしているので他人事ではなく、画面に身を乗り出し食い入るように読みました。古川さんのお話に出てくる寿命という期限つきの筋ジストロフィーの少年達の何という明るさ、その言葉に耳を傾け、真摯に対応しようとされる企業トップの姿。日本にも、こんなに垣根なく話の分かる人が居られるのだ!という驚きと感激。すっかり舞い上がってしまった私は、この対談を企画して下さった糸井さんに勢いでお礼のメールをお出ししたのです。(糸井さんとは現役時代に2、3度ご一緒のお仕事をしたけれど、売れっ子の人気コピーライターですから、やっぱり雲の上の方達です。メールコンタクトをするのにも勇気が要ります、何と言っても言葉の達人ですし)
結果的に、ウジウジせずメールをお出しして良かった・・・糸井さんが、このメールを古川さんに転送しても良いですか?とお尋ね下さった上で、ご自分のコメントまで付けて送って下さったのです。インターネットやメールはこんな時、何とも軽いフットワークを発揮してくれますね。なんと速効で古川さんからお返事が届いたのです!
「マイクロソフトの古川です。kyoさんの名前、享は僕と同じ文字、ただし僕はススム・・・と読みます」
何回かメールの応答が行き来して、しかも運と言うのか、お風邪を召して休んでいらした奇蹟の休暇中に息子の手掛けたサイトまでご覧いただけたのですから。5年前の10月の奇蹟です。
それは今月初め、偶然にも作家の山川健一さんがご自身のブログ『イ−ジーゴーイング』から私に呼びかけてくださった時のような、出会いの奇蹟的な体験でした。しかも同じ10月、空を仰いでしまうような感覚です。
その年の暮れに古川さんの個人的なお仲間の会合へ息子とフミちゃんは招かれたのです。そして翌年、ロスへの研修旅行へ二人をご招待下さったのです。
「御恩を生きている間にはお返しできませんから」と遠回しに遠慮する息子達へみせた古川さん達のスピードある対応は、天空のジェットコースターに乗せられたかのような勢い。アレよアレよ!の感動の連続でした。L.A〜ラスベガスでのありとあらゆる気くばりに帰国後の二人は瞳を潤ませ「とても言葉では言い表せられないよ、今までの人生の中で出会った事のない、説明不能な方だよ」と頷きあうばかり・・・言葉を失うほどの感銘に、家族の胸も震えました。
ご紹介の労をおとり下さった糸井さんにご報告すると、
見るのはフアフアしたオムレツを
食べるように楽しい・・>darling
・・・とありました。
なんという素敵な大人達に恵まれた息子達なのでしょう。息子達はそれからも折りに触れ古川さんのお仲間にお招きいただいて交流を深めて行く一方、私も仕事熱心でとてつもない美食家で料理家・・・良い父親像も伺える氏のブログを楽しみにしている次第です。我々が果たしてこのような希有な恩恵を受けるに価するかは疑問ですが、もしかするとこれは日本のこれからのあり方なのかもしれない。偶然と確率を大切に・・・若きネット仲間が教えてくれたことばです。
例えば考えてばかりで一向に行動しない役人等とは違う、新しいタイプの行動する日本人の大人、素敵なお手本が存在する事を皆様にお伝えしたかったのです。糸井重里さん、古川享さん、山川健一さん他沢山の、若者のお手本となる大人の方々。才能や心意気を少しも出し惜しみせず、サイトやブログを通し溢れ出る言葉をもって、どんな教育者も成し得なかった百万の若者の心に火を灯しつづけてくれているのですね。
インターネットの良い可能性を信じて来た隠居の報告です。感謝をこめてモニターに向かっています。
ネット上での偶然は、ほとんど必然と言っても良いだろう。
何故なら、確かに足跡をたどることが出来るからである。
僕が「イージーゴーイング」を知ったのも、偶然ではない。
そこで何人かの人と知り合ったのも、偶然ではない。
今パトラさんにコメントを書いているのも・・・決して偶然ではない。
それは確かに僕が選んだ出会いである。
ありがとう、パトラさん。
相手してくれて・・・(^_^)エヘッ
コメント by 変人 — 2004/10/21 木曜日 @ 1:22:18
偶然を必然にもってゆく、この確率を大切に・・・ですね。
>変人さん、ありがとう、らしく生きる事、あらためてやってみよっと!
こちらこそ。
このくらい生きてると「眼鏡」が曇るんだけど、厳しい若者の感性に時々
かまってもらって、お!とかハッ!とか発見したいのですよ。からっきし青い隠居
です。
コメント by patra — 2004/10/21 木曜日 @ 10:07:10
patraさん、こんにちは。
「自分の周りで起こる出来事に偶然はない、すべて必然だ」に
とても納得しているし、そうそう、と思っています。
でも最近、『奇跡のようなもの』もあるんだなと実感してます。
今こうしてここに書いたりしてるのも、そんな感じです。
愛猫にゃん、お元気になられましたか?
サハラも飲みすぎ食べすぎが続いてるので気をつけます。
ちなみにウチもIHです。ポトフ(笑)とか煮込み料理にいいですよねぇ♪
コメント by サハラ — 2004/10/21 木曜日 @ 14:46:47
>サハラさん、さっき貴女のであいを読んできたところですよ。私は常に受け身で
人と出会うので偶然という意識のほうが強いかな、この突発的に出会ってしまう
運気をありがたいと喜びます。
猫チップはここ2日ほどは吐きません。吐くと黒いカーペットが白くなって
屈めないので掃除に困るのですが、この間はへルパーさんに床だけ拭いてもらえて
助かりました。
キッチン、IHクッキングヒーターなんですね?便利ですよね。タイマーをセットしさえすれば居なくともスープや煮物が出来上がる。
コメント by patra — 2004/10/21 木曜日 @ 21:07:42
こんばんは!patraさん。
お風呂に入って一息ついてパソコンの前です。
感動したことを素直に行動や言葉に表すことって
難しいこともありますよね。
私のちょっとひねくれた性格だとなおさらです。
patraさんはいろんなこと体験されてきて私よりも生きることの先輩ではあるのに、であった人や物にとても素直に感動されていてそれをまた言葉にできることがすばらしいなあと思います。
メールするのに勇気が要ったというのはよくわかりますけど。
また、ネットっていう媒体も威力がありますよね。
と、相変わらず「すごいなぁ(ボキャブラリー貧困)」と思いながらぼけっとモニタに向かう私なんですが、
なんていうかなあ、patraさんって
きっといろんなひとを引き付ける何かがあるんじゃないかって思うよ。
そばにいてちょっと話を聞かせて、私の話を聞いて、って言いたくなるような感じがありますもん。
その何かってなんだろうな、もうちょっと研究してみよう・・・。
そしてその何かが少しだけでもわかったら是非見習ってみよう・・。
コメント by rosemary — 2004/10/21 木曜日 @ 21:32:33
>ブログとちがって長い読み物だし。だから
>必要しないでください。
>rosemaryさん、昨日の私のメールです。
朝型に切り替えるため24時間起きていて、自分ではちゃんとしてると思ったのに、今朝、これを書いた私を発見、自分で自分が恐ろしくなりました。意味不明。>必要しないでください。
なんじゃこれ。危ないかも隠居!です(爆笑)
微妙に意味が伝わるところが・・・いとかなし
コメント by patra — 2004/10/21 木曜日 @ 23:01:53
patraさん、
糸井さんに頂いたご縁で、kyoさんとフミちゃんとの素敵な出会いが実現しました。私たちの仲間もお二人が大好きで、お互いに生きていくうえでのエネルギーを充電しあうような関係です。私の80歳を超える母親にとっては初めてで一生の思い出になるような旅のコーディネーションをパリでお二人にしていただきました、本当に感謝の言葉もありません。
今後とも長いお付き合いをさせてください。
では、ふるかわでした
コメント by 古川享 — 2004/10/22 金曜日 @ 4:02:07
古川さま
すてきな御縁をなんとか記録して置きたかったのですが、拙ない文章でしか表現できずに誠に恐縮です。
非常に驚いたのですが、母上の年令です。お写真も拝見しましたが、何よりお若いし息子達の報告にも「凄く、お元気だよ、70歳くらいかな?」とありました。
フミちゃんも非常に楽しかった!と申していました。ミサや野外オペラ、良い時期でタイミングも素晴らしかったようです。
お声をかけて頂けただけで二人はどんなに喜んだことか!もう興奮してました。
こちらこそ、思いでをありがとうございます。
コメント by patra — 2004/10/22 金曜日 @ 9:36:25